国際線第99ターミナル

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日本と韓国のミュージカル観劇あれこれ

2013/11/3 JCS初日レポ

今年もやってきたJCS公演、初日に行ってきました!
毎度最初のラッパ音と暗転だけでクライマックス級に興奮してしまうんですから困ったもんです。

【オーバーチュア】
金森ユダのチクチクタイムと同じタイミングで、ゆっくりひざを着き、四つん這いになる芝ユダ。
特に痛がる表情や素振りはみせず、ただもくもくと土を見つめたり、時々渋い顔を見せたり。

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土の研究家のように地面を凝視し、静の演技。
ユダが動かないと必然的に後ろのジーザス達が視覚的メインになります。
金森ユダの場合「この現状のせいでユダが苦しんでる」感じだとしたら、芝ユダは「これがユダから見えるジーザスの現状」というような、あくまでジーザス達をメインにした、ユダからしても客観的な感じ。
今までジーザス達はどちらかというと背景として見てたので・・・オーバーチュアだけでここまで違うか!w

【何が起こるのか教えたまえ】
泣いてはいるものの、去年のような充血涙鼻水ダラダラのコンボは発動せず、神永ジー涙30%削減。
ジーザスのありがたいお話が始まると、せっせと座り直す真面目な佐久間シモン。
揺らめく群衆の中で、1人だけ電車に乗ってるかのごとくゴトゴトゆられる春ペテロ。

【司祭】
自由劇場のスピーカーでは全く制御しきれない声量と声の広がりをみせる高井カヤパ様。広がりすぎるあまり度々行方不明になるメロディーライン。
予想外に感情の起伏が激しく、ソロパートでは怒りすぎるあまり、両足を地面につけたままビョコビョコ跳ねるという激しいアクションを披露。服の色も相まって、まるで勢いよく生えてきたタケノコのよう!
ジーザスと過去に何があったんだというような怒りっぷりに、登場早々勝手に抱いてた高井カヤパのイメージが見事粉砕しました。
金本カヤパはアンナスより落ち着いてましたが、高井カヤパは確実にアンナスよりハイテンション。

【狂信者シモン】
外見といい動作といい真面目系なので、ナンバー中でもジーザスが止めてって言ったら即座に止めてくれそうな佐久間シモンw
まだ間を持て余してる感はあるものの、歌も声もナンバーに合っててこれから大きく進化しそうです。

【裏切り】
うつろな表情でフラフラ歩いてくる芝ユダ、時々止まって空を眺めたり、完全に我ここにあらず状態。
曲が始まるとビクッと足元を見るも、すぐに「やれやれ来てしまった」というような諦め顔。
対して無愛想なのにジーザスを逮捕できるウキウキ感が全身からにじみ出ちゃってる高井カヤパ様。
ユダを押すときもどんどん前ににじり出て、このままカヤパ様が飛び出して銀貨取っちゃうんじゃないかと思う勢い。
お葬式状態の芝ユダとお誕生日状態の高井カヤパ様、今まで見た中で最も両者のテンションに差がある裏切りだったかもしれません。
ワイスアンナスがとてもクールに見えます。

【市場】
去年あれだけ売れなかった司祭3のうさぎマフラーですが、今年は開始10秒で安東群衆さんが五円でお買い上げになりましたおめでとうございます!
その後も比較的興味を示され、再び二人目の客を相手に値段交渉開始。
しかしここで調子に乗った司祭3は、先ほどの2倍の額である10円を提示。
結果うさぎマフラーは投げ捨てられ、しかもその直後強盗にあうという、まさに踏んだり蹴ったりでした。

【晩餐】
初日なので(?)アドリブは特にないスタンダードな晩餐。
しかし今期の芝ユダは去年を超える諦めの境地に突入したのか、始終棒立ちで神永ジーを説得させるようなスタンス。諦めすぎてもうすぐ悟りが開けそう。
マグロのごとくドッコイショー!と投げられようが、ゆっくり立ち上がり距離を置いたまま論議を再開するような芝ユダを前に、叫びながら追い払おうとする神永ジーはまさに傷だらけの哀れな獣のようでした。
まさかジーザス側が空回る日が来るとは、晩餐の可能性インフィニティー。

ゲッセマネ
17秒もロングトーンが伸びたり、B'zのように語尾が裏返ったり、初日とは思えない熱さの神永ジーゲッセマネ
最後は歌詞変更なのか?今まで「見てくれ私の死に様×2→見てくれ死に様ー!」だったところが「見てくれ私の死に様×3」になっていて、若干伴奏が余るおかげで
「見てくれ私の・・・・・・・・・・・・・・・死ーにーざ・マーーー!!」
みたいになってたけど、いいの!?w

【否認】
ジーザスに背を向けた状態で起き始める五十嵐ペテロ。
「なにがなにが~・・・OH!?」(アイスの「MOW」とか「爽」と同じイントネーション)
心底ビックリしないとそんな声でないよね!というような素っ頓狂な声をあげていたものの、短剣さばきは打って変わってキレがあり、使い慣れてる風でした(たままペテロ比)
否認ではガッツポーズのような謎の決めポーズをしながらの「知るもんかあんなやつ!」
この後ガックリ肩を落とすのですが、思いっきり落としすぎるあまり背中を掴まれた猫のようなポーズに。

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さらにあからさますぎるダイナミックため息。
何故かここだけドラえもんのび太君のような演技で、うさんくさい系否認という新ジャンルを確立。

【ピラト】
ピラトが向けたステッキにジーザスが「あなたが今そういった」(セリフ変更)と答えた際、思い切りエコーがかかって完全インタビュー状態に。

【ヘロデ】
唐突な地ベタリアンデビューを果たした北澤ヘロデ。
地べたに座ることによってよりチャランポラン度、ハーレム感がアップ!
久々の北澤ヘロデはギャグ要素を捨て去り、ドSの化身と化してました。

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ジーザスを横目であざ笑い、歌および言動すべてから溢れ出るディスり臭。
悪意に満ちた表情で、ちょっとでも機嫌損ねたら即処刑されそうです。カーテンコールですら愛想0で話しかけたら即抹殺されそうなキャラ徹底ぶり、実にヘロデってます。
ワカドゥーはヘロデの指パッチンに合わせてヘロデガールズに歌わせる新演出。
最後の気絶もなくなり、今期はマジキチ路線1本で攻めるのか否か、非常に今後が気になる北澤ヘロデ2013でありました。
しかし歌いだしの「君はクライスト♪」に入る直前、口を開いた瞬間唇からンチュッ☆という音を響き渡らせる面白い?一面も。
いかんせん初日なので、意図的にやったのかグロスを塗りすぎて事故ってしまったのかはなか定かではありません。

【自殺】
芝ユダの自殺は「ううっ(泣)」とか「マイゴッ・・・うわぁぁ(泣)」とか、泣き声混じり。
転がりながらとっさに出た「ジーザスゥ(泣)」は間違いなく今日のアドリブMVP。ここでジーザス言っちゃうのはアカーーン!!(号泣)
金森ユダは諦めきれなくて発狂してる感じだったけど、芝ユダは諦めたことに耐えられなかったような・・・上手く日本語で説明できませんw

【ピラト裁判】
ホサナ時の2倍は出てるんじゃないかというような歌声で、ここから一気にヒートアップする群衆とピラト様。
ここまでは実に初日らしい小ぢんまりしたJCSだったので、おおっ!となりました。ピラト様は今まで見た中でもTOP③に入るんじゃないかと思うような声の大きさで耳が痛い!
ピラト様の音圧で地響きが!と思ったら本物の地震だったというohジーザスなハプニングも発生。

【スーパースター】
ギラギラ眼差しと口元だけの笑顔という狂気染みたスーパースター。歌大爆発!
芝ユダはこの曲以外声をこもらせるように歌うので、そのあたりでも生前と死後のギャップが大きかったです。全部この歌い方でききたい!

【カーテンコール】
あれ・・・?自由劇場に芝タガーが・・・?
・ペテロとシモンが2人で駈け下りてくる直前、五十嵐ペテロがニコニコ笑いながらアイコンタクトを送りまくるも、佐久間シモンは前方を観ながら順番確認に夢中というドンマイ展開。
・ぎこちないながらもノリノリで踊る高井カヤパ様。
・北澤ヘロデの関心→自分のスカート

初日ということで劇場のフレームに丸っとおさまったJCSではありましたが、群衆がムチ打ちで1日目とは思えない個性的な動きをしていたり、新キャストが面白かったり、これからどうなるのかいい意味で予測不能な点がたくさんありました。
改めてJCS2013開幕おめでとうございます!