国際線第99ターミナル

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日本と韓国のミュージカル観劇あれこれ

2012/10/25 JCSレポ

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新ジャンル、めそめそユダとわなわなジーザスのしんみり系晩餐。
今までJCSは狂気一歩手前くらいでこそジャスティス!と思ってたら、しっとり系もいけるってまさかそんな。ジーザス、恐ろしい演目・・・!
個人的に今日の公演すごく好きでした。一昨日の公演から随分かわりましたね!

本日のユダチクタイムはクレッシェンド方式。
針でチクチク程度だったダメージがいつの間にかお腹膝蹴り級に。
そんなエア膝蹴りを喰らいながらも必死に前に手を伸ばす金森ユダ、倒れる直前に目を見開いて何かを掴もうとするも、ギリギリ届かなかった様で実にユダユダしいナイススタートでした。

初日に高くならなかった「夢見すぎたのだ」はバッチリ絶叫風。
この時ペテロは虚ろな目+口半開き+何か欲しそうな手つきで絶賛ユラユラ渇望中。しかもちょっと笑ってて怖い。
そんな呪いの人形状態のペテロに、ティーン☆の音で一気に息が吹き込まれる様はまるでトイストーリー!
このティーン☆の一瞬で舞台が生き生きする演出、どれだけ今までのユダの声が届いてなかったんだよとちょっぴり泣けます。

今日の市場ではネギをブン回しながらウォラアアアア!と怒鳴る、飛び切り柄の悪い客が。
これはジーザスにキレられてもしゃーないわと思える極悪言動で市場の治安をほどよく破壊するその群集、よくみたらシモンでした。(※本城さん的な意味で)
ツーステップ助走で突っ込んでくるジーザスのブチギレも納得の神の怒りを買う系演技。
今回ばかりはお前たちはー!が名指しに聞こえてしょうがありませんでした。

銀貨を握りしめたままグズグズ鼻をすするユダを尻目に最後の晩餐スタート。
今日もシモンはジーザスの発言に対して「わかる?」と隣に投げかけたあげく、よくわからん!的なジェスチャーをしてパンの続きをモグモグ。
ジーザス、報われない(笑)(笑っちゃダメ)
最初のとおり今日の晩餐はしっとり系で、すがりつくユダをそっと横に置くようにして上手へ逃げる芝ジー
置き去りにされたユダは倒れたままゆっくり目を閉じて、無言で鼻をすすりながらスンスン。
「どうしてダメなの!?」というより「やっぱりダメか」的な諦め演技があまりにも可哀想で、見捨ててるのジーザスじゃん!と言いたくなる始末。
号泣したり床をバーン!する熱い晩餐も最高ですが、これはこれでかなりいいかもしれない。
しかしジーザスもジーザスで何か言いたそうに口をわなわなさせながらユダを見つめていて、私はわからないどうしてあげたらいいのか状態。
一言!一言でいいからユダに「ありがとう」とか「すまない」とかお言葉を!
その後ユダを言葉で突き放すわけですが、本心の辛さが滲み出るあまり、大好きだった動物を野生に帰したけどついてきちゃって「くるなー!(泣)」ってなってるラスカル最終回みたいになってました。
本心じゃないならもっと優しい言葉を・・・と思いましたが、神の御心じゃしょうがないですよねー。
だから次のゲッセマネで怒ってるんですもんね。
今日はちょっぴりユダの方に手を差し出そうとしてました。

裏切りのキス後、ジーザスの一言にハイパーショックを受けるユダ。
ヒィィと下手側に倒れ込むも勢いが強すぎて
石に顔面クリティカルヒット
大丈夫かー!!!!
しかしもはや金森ユダから痛覚はぶっとんでいたようで、そのまま石を抱え込んでガクガク震えだすミラクル演技。もはや演技なのかすら不明。
この瞬間一歩劇場から出れば何もない平和な浜松町が広がってるなんて!本当にあった怖い話より怖い!
最終的にその石を枕に目を閉じてくったり息絶えたユダ。(死んでないから)
ここまで責めようのない現実逃避が今まであったでしょうか。
おーやーすーみーユーダー

しかしそんな思いもむなしく、ジーザスを捕まえたの言葉で現実に引きずり戻されたユダは、あの体制からどう反動をつけたらああなるのかわからない勢いの素晴らしいスピニングシャンプで起き上がり、ジーザスにぐっしょりした視線を送っていました。
アンナスのご苦労宣告後、カヤパが冷め切った顔で何かユダにつぶやいていたのを聞き取れなったのが今日の心残りです。

目のキンキラ具合八割増し(初日比)のヘロデ様。
もしかしてつけまつげ自体が金なのか、とにかく尋常じゃないキラメキ方で、もはや目が開いてるのか閉じてるのかすらわからないレベル。
ワカドゥー後にアハハハァー!と笑ったり、何故ためらう~ぅおおぅひぃ~!と謎の奇声を発したり、やれぃユダヤのキング♪の後の沈黙では

・・・
アガダダダガッ!!
ユダヤ語が聞けたり(違う)、フリーダム具合がさらにレベルアップしてました。
他にも手をあわせて満面のうさんくさい笑顔でお願いポーズをしたり、ラストで仰け反った体を片手で支えてジョジョ立ちしたりと、開幕2日目とは思えないハジけっぷり、さすがです。

今年の群集の個人的激アツポイント石投げ。
勢いあるピッチングで今日はカヤパ様に1hit!このJCSの容赦なさ最高!
鞭打ちでも顎掴まれて吹っ飛ばされてる群集がいたり、よくみたらそれはペテロだったり、カウントに合わせて鞭打ちの真似してる酔っ払い風群集がいたり、よくみたらそれはシモンだったり、スリルとバイオレンスが満ち溢れてました。
極めつけは39カウント目で、村ピラトが青山鞭打ち人に向かって

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ピラトアタッーク!☆(左右間違えました。左からタックルしてきます。)
手はクロス、助走をつけて勢いよくタックル。ボイーンとぶっ飛ぶ青山鞭打ち人。
貴重すぎるピラトのアクションシーン、今まで全然気づかなかった。
あとピラトが刑の執行をためらってる時に両サイドからプレッシャーかけてるアンナスとカヤパの極悪フェイス。
助言欲しさに振りかえった村ピラトのしょんぼり感w

今回はユダがよく笑うカーテンコールでした。

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バンザイ片足ジャンプでソウルガールズを迎えに行ったり

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ヘロデと足場の悪さについて(多分)話してたり

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その後さっそくヘロデが滑ってたり

円陣でも掛け声があがり、盛り上がるカーテンコールでした。
そしてジーザスとマリアの静かなニコニコの破壊力。
マリアはもちろん、何故か芝ジーも・・・儚い。笑

今日は高木マリアの演技が今まで見た中で一番良かったです。
あんなに表情が変わるイエスがわからない初めて観ました!
交互に変わる笑顔と困り顔にマリアの抑えきれない気持ちを感じた!

ということで2日目にして早々チョーイイネサイコーな舞台でした。
次の観劇までしばらく空くのですが、今の時点で病的な思い出しニヤニヤとナンバー無限ループに見舞われてます。
見ない日数が増えてく度に序盤の芝ジーみたいな顔に近づいてる気がする。