国際線第99ターミナル

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日本と韓国のミュージカル観劇あれこれ

2012/11/25 JCS初日レポ

ttt
最後に観てから1年以上、その間に大量のエルサレム観劇を挟んだゆえ、記憶のかなたへ消しとんでいたジャポネスクに行ってきました。
今回は神永ジー・芝ユダ・野村マリアとメインキャストがガラリと代わったため、全てが新世界に。
もともとJCSはキャストが同じでも、公演ごとにパラレルワールドであるような印象を受けるんですが、今日はここまで違うかー!というくらい雰囲気が別物で、アホのようにのめり込んで観てしまいました。

客席に入った瞬間目に飛び込んでくる真っ白な景色、暗転してから無音で始まるジャポ独特の世界観、開始1分で興奮マックスまで引き上げてくれるジャポのオーヴァーチュア。
真っ白な舞台に真っ黒なユダが飛び出した瞬間を皮切りに、続くように飛び出したシモンが、傾斜の反動を使って勢い良く前転したあとキャッツのように滑りながら方向転換。
わざと足場をドンと鳴らすアクションの和楽器とのマッチ具合。
この使い分けられた静と動のかっこよさ、日本人でよかった!!!(※開始1分)

芝ユダはとても落ち着いた理性的なユダで、ユダ派がいるのも納得な頼りがいのありそうなユダでした。(何回ユダっていってるの)
ジーザスに淡々と正論を述べる芝ユダ、そのたたずまい故に説得力もなかなかのもの。
あまりに忠告が落ち着いているので、もしかして芝ユダは神永ジーにしか見えない精霊なんじゃないかと思うくらい客観的な立ち位置を確立してました。
スンラユダは話しかけたり抗議した瞬間にドカーン!しそうな近づきがたさでしたが、芝ユダは冷静に話を聞いて的確な結論を導いてくれそうです。天国へがあそこまで叫ばない曲だったとは。
しかし落ち着いてはいるけど真剣に悩んでいる一面も。
弱弱しい声で歌いながらうなだれる、芝さんの弱気演技見慣れないw
でもそのギャップが更に深刻さを助長しているというミラクル。

常に特殊な存在感を放つ野村マリア。
独特な間の取り方&歌詞強調で、ユダと同空間にいるはずなのにピラトの夢ばりの異空間を創造。
よって芝ユダの説教も異次元に吸い込まれ神永ジーまで届きませんでした。

予想以上の進化を遂げて帰ってきた神永ジー
神聖さはもちろん、何より全然訛ってない!
比較的軽い訛りでも気になってしまう派ので、最初にジャポのキャストを見たとき「神永さん続投かー」と複雑な気持ちになったりもしましたが、今日の神永ジーは感動的に訛ってなかった!
もう焼き土下座で謝罪します。努力してるんだろうなー!

突出したファッションを誇る司祭軍団。
今日のワイスアンナスは今までみた中で一番なんじゃないかと思えるくらい絶好調で、高音がスパコーン!
高音に届くか届かないかのギリギリ感がアンナス鑑賞の楽しみなのに!(邪道)
ジャポのカヤパ様は何故かアンナス狙い撃ちで馬鹿よわばりするので、「アンナス(カヤパの養父)」の定義がさらに謎を深めました。

エルサに比べて特別感満載のジャポシモン。
「皆あなたを愛します!」では群衆に加わらず、シモン専用振り付け(沖縄のエイサー風)でソロダンス。
そのままジーザスへ交通整備ばりのウネウネした手振り。
おみこし上のジーザスと握手してもらえて感謝感激してる群衆がいたので、そんなに嬉しかったのか!とよく見たらペテロでした。毎日一緒なのに握手で泣きそうなくらい感動してるペテロやばいな!w
群衆のダンダン響く地鳴らしがカッコ良く、このナンバーはジャポ演出大成功にもほどがあります。
初日なのでアレンジはないだろうと思ってたら「呪わせてください」直前、明らかに漂う押さえ込んだ感
そんな、我慢しなくてもいいのに・・・!
しかし「とこしえの栄光」はバッチリアレンジされてるという謎基準(笑)

市場で場所代か何かを徴収してる司祭(オフなの?)
どうやら商品でも支払い可らしく、スープを飲ませてる店も。
そこへいきなり駆け込んでくる神永ジー、豹のようにヒラリと台に飛び乗り、鷹のように両手を広げ、鹿のような高貴オーラで市場を横切り、ワンコのような目で群衆に一括。何故かこのシーンでとても美しかった神永ジーでした。
エルサ千秋楽のデスメタルシャウトは偶然の産物だった模様。

マリアソロでは何故か「堕落させようか」を最大強調する野村マリア。
ユダに続く第2の裏切りの予感。

裏切りはスンラユダとの違いが顕著!独断と偏見まみれの比較方式。
【裏切りのスタンス】
芝ユダ→冷静に考えてこれしか手段がなかった系
スンラユダ→あっぷあっぷの無理心中系

【報酬へのリアクション】
芝ユダ→「今更金なんてもらってもしょうがない」諦め系
スンラユダ→「金だと!?バカにするな!」ツンツン系

【司祭に押されてる時の雰囲気】
芝ユダ→ためらうけど運命は受け入れなきゃゴクリッ系
スンラユダ→(文字通り)背中を押されてやっと実行系
晩餐は感情爆発戦争というよりディベート系大人の晩餐。
両者とも堂々と意見を言うので、後ろの使徒がめっちゃじっくり聞いてる!ドン引くこともなく!(w)
あの場においてユダ派が増えたかもしれない雄弁ぶり。
でもお小遣い袋をジーザスに見えないよう抱え込む芝ユダの罪悪感。
しかしあくまでもジーザスには強気な芝ユダ、「望みなのだー!」を自分にも言い聞かせるように言い放つ。
そんなイケイケな芝ユダですが、全体的に迫りすぎない距離感を終始キープ。
「私が理解はできない」はジーザスに向かってではなく何もないところに吐き捨てる芝ユダ。そしてテクテク10センチ刻みの歩幅で歩みよる。ここで!w
スンラユダはHYPER SHOKING NOW!!みたいな、ジーザスの顔を呆然と見たまま動けなくなる系だったので斬新でした。
男の修羅場ってかんじでしたね!(よくわかんないね!)

最後の晩餐で目立ちすぎた信号みたいな使徒トリオはペテロ、ヨハネヤコブだったようです。
信号といっても緑赤青なので急発進か急停止しかできないというまさに使徒風信号。赤い人完全にシモンだけどね!!笑
シモンはあそこまで完スルーされて、一体何をしてしまったんだろう・・・。

裏切りのキス後に神永ジーの胸元に頭を押し付け、胴体をべったり触ってから去る芝ユダ。
名残惜しさは痛いほど伝わるものの、何かを塗りたくったようにも見えるべっとり感。

たままペテロのスイカ割フォームはジャポネスクだと剣道風に見えてかっこいい!武士っぽい!
しかし今日のぶった切り具合だと、強さ的にも位置的にも兵士の顔面を真っ二つにしてしまっていたので、兵士が耳しか負傷してないと確認した時にはとても安心しました。

そして待ちにまったユダの自殺!
果たしてあの傾斜に対して異常な回転数のゴロゴロは全ユダ共通なのか!ペンギン走りはどうなのか!
ドキドキのワクワクで芝ユダの全動作に注目。その結果
・しっかりとした足取り
・悲鳴をあげない
・スタイリッシュな3回転
おろろ~~~~!!??
ここは格好いいシーンだったようです(どーん)
スンラユダは一方的に引きずりこまれるような印象でしたが、芝ユダは抗うものの「生きる」という選択肢からはじき返されてるようでした。

ところでジャポの自殺はユダにしか聞こえてないであろう鈴の音が鳴りますが、それに混じって聞こえるポコッ!という音がマリオが亀をふんづけた音に似てて気になります。
更に死ぬ直前、後ろ向きの台八車に飛び移る時に、それまで乗ってた台八車がボヨンと反動をつけてユダをジャンプさせてるのもマリオ風。
ホッホゥ!
ポイーン☆
ウワァァァァ
みたいなw(台無し
台八車って前からあんなに反動つけてだだろうか。
何はともあれ芝マリオユダの自殺、実に男らしい最後でした。

今日は高音が出ず全体的に不調気味だった芝ユダでしたが、スーパースターでいきなり本領発揮。
ここまでシャウトすら声量控え目だったのでそういう大人しめな役なのかと思ってたのですが、これは何回か見ないとわからない!

無音で始まり無音で終わるのがジャポネスクバージョン。
無音のカーテンコールいいですねー!芝ユダ普通に笑ってる!
白子軍団と一緒に出てくるヘロデ馬車押しの胸元の赤いバラが眩しくて日の丸弁当のようでした。
今日の公演は群衆の盛り上がりがリズミカル。狂気というよりノリのよい群衆で楽しかったです!
チケット追加したい衝動にかられますが公演期間2週間は短い!