国際線第99ターミナル

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日本と韓国のミュージカル観劇あれこれ

2012/11/18 JCS千秋楽レポ

漠然といついつまでも観ていられるような気分でいたらあっという間に千秋楽!
千秋楽と言えば去年のジーユダ大乱闘晩餐も記憶に新しく、今年はどんな伝説が生まれるのか楽しみであり、また恐怖でもあります。

18日エルサレム千秋楽。
開演早々流されるように高台に導かれる神永ジー
虚ろに伸びてくる手を包みつつも、群衆を見下ろす視線は氷点下0度。
途中ジーザスから手をかざすというありがたいアクションがあったにも関わらず、そ
いうときに限ってノーリアクションな群衆達。どこまでも伝わらないジーザスの愛、
日も見事に一方通行でした。泣けるw

公演期間中、確実にクレシェンド方式でテンションをあげてきた本城シモン。
今日のシモンナンバーもアレンジばりばり、「ヤア!」の掛け声に合わせてとびきりの苦笑!(それ笑顔)
しかしナンバー中のテンションが長い分、その後ジーザスに咎められたときのギャップが可哀想で可哀想で、とこしえの栄光と力を確信したばかりの彼がガクッと肩を落とした瞬間の気持ちを考えると・・・切ない!
伸ばした両手を一度胸元に戻しグッグッと握り直してから再び祈る、ジーザスを神だと信じたい必死さと、それだけ強い愛国心と誇りが一瞬でボッキリやられてしまうこの世知辛さ。

ついに売れたうさぎマフラー!(やったね!)
しかし恒例尻ポケ強盗もされたのできっとプラマイマイナス。
そんな荒れ狂う市場の中、ニワトリの断末魔のようなデスメタルシャウトと共に神永ジー入場。
文字で表すとしたら

205.png

でてゆけー!の声もも裏帰り気味で、溜まりに溜まった怒りというより瞬間湯沸かし器的爆発。
ジーは説教的ニュアンスもあった気がするので、このヒステリー直前なテンションが新鮮。
群衆グルグルタイムから自分で治せ!まで金切り声のテンパり感。
群衆が逃げ去った後はあまりの放心状態に腰が抜けたのかドシーン!と響くほど思いっきり倒れ込む神永ジー
そんな四つん這いのジーザスに、体勢を合わせて歌いかけるマリアの癒やし破壊力ときたら!丸まってるマリアの癒やしフォルムときたら!

千秋楽らしからぬ大人し系で攻めてきた金森ユダの裏切り。
アンナスカヤパによる銀貨プッシュに対して無抵抗というイレギュラーパターン。
正しくいえば力で抵抗せず、目で訴えるどうするアイフル作戦。
後ろを振り返って司祭軍団に哀愁の眼差しを向けたり、カヤパに至近距離から傷だらけの哀れな獣アイを送ったりするも、あえなく銀貨にぶっ飛ばされゲッスェーマニー・・・。
美しい無抵抗だったーぞーユーダー。

そしてついに迎えたエルサレム最後の晩餐。
今日のユダは恒例の首フリフリを封印、ここでもジーザスの服にすがりついてウルウルどうするアイフル戦法!
しかしあえなく後方にぶん投げられ、流されるように歌い流れるように泣きながら退場していきました。
前代未聞の流しそうめん状態(笑)
ジーザスの覚悟が決まりすぎてて、ユダの抗議がどこにもひっかからなかったようなある意味斬新晩餐。
その後神永ジーは恨めしそうに明後日の方向を睨んでました。

 

「ペテロ・・・ヨハネ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ヤコブ
溜めすぎるあまり、ついにシモンに続く抹消を疑ったヤコブへの呼びかけ。

ゲッセマネでの神永ジーは大変ご立腹でもはや逆切れ状態!
ジーが地割れ系なら神永ジーは落雷系で天変地異がおきそう。
歌ってるのか叫んでるのか、今すぐ死ぬかのような剣幕のゲッセマネでした。
歌い終わってからユダがキスして離れるまで一切目をあけない神永ジーの演技、覚悟を感じて好きです。

捕まったジーザスの為に立ち上がるペテロ達。
イカ割りのようなフォームで兵士の耳に入刀するたままペテロ。絶対今まで剣使ったことなさそうw
知るもんか直前にはキメ顔をキリッと披露。(×かっこつけキメ顔 ○覚悟キメ顔)

入場方法が衝撃的すぎたユダの自殺。
水面に投げた石のように、四つん這いのままバウンドして平行移動というミラクル。
人って四つん這い固定のまま移動できるんですね!
というかJCSは定期的にこういう異次元な動きのでる演目ですよね。
消耗しきってガックリうなだれた金森ユダ、歌までボロボロw
歌途切れそう!というか自殺前に死にそう!
涙声通り越して嗚咽直前でした。
穴に吸い込まれる直前にはうつ伏せでパッタリ。
「ユダはうつ伏せで死んでいた」の一節を思い出しました。わざとなのか!?
いやでも仰向けだった日もあったような・・・(笑)

耐える系から完全にシフトチェンジした神永ジーの鞭打たれシーン。
4発目くらいから白目でガクガクし始めたので39発目までいけるかハラハラドキドキ。
途中カヤパ様前へ引きずられていったとき、横にいる兵士がジーザスの表情を見せるために、神永ジーの顎の下を掴んでグイッとカヤパ様方向へ向けさせるシーンも。
それをみてニヤニヤ頷くカヤパ様ドエス!っていうか兵士ナイス!(笑)

ユダに続く隠れ葛藤スペシャリストの村ピラトは、今日も決断の際にカヤパを振り返りましたが、カヤパ様はジーザスを手で指して「さぁどうぞ」とうながしただけでした。
そして低空飛行の石が猛スピードでピラト様にクリティカルヒット
今日は悪意を感じる低空飛行の豪速球が多くて、かわいそうな村ピラト様でした。

最強に楽しそうなユダのスーパースター。
目も口も全開で満面の笑顔!でも目は笑ってるというより見開きすぎてて完全にイッちゃってる。さすが!
途中すごく悪い顔でジーザスを振り返ったり、客席に狂気スマイルをふりまいたりと、パーフェクトな開き直りっぷりを披露してくれた千秋楽にふさわしいスーパースターでした。
しかし後ろで担がれてる神永ジーのお腹が呼吸に合わせてベコベコ動いてるの見ると「まだ生きてるー!」って泣きたくなりますw

カーテンコールでも最後の最後までミステリアスな微笑み(微笑んでないかもしれない)を崩さない神永ジー
そのためか千秋楽のわりに落ち着いたカーテンコールだったと思います。
なんだか観客が盛り上がってる中、ジーザスのリアクションが薄いと群衆になった気分になりますね。「誰もわかってはいない!」って言われたらギャフン!みたいなw
ジーザスの分もマリアがニコニコしていて可愛かったです。

ジーから神永ジーに繋がれた今回のエルサレムバージョンでしたが、なかなか年によって作品の雰囲気が変わるんだなあと体感することのできた公演でした。