国際線第99ターミナル

国際線第99ターミナル

日本と韓国のミュージカル観劇あれこれ

2011/7/17夜 JCS千秋楽レポ

千秋楽から1日が経ちました。
朝から色々なシーンの芝ジーが走馬灯のように頭をかけめぐってます。
高らかにホサナ歌ってる芝ジーの勝ち誇った顔がちらついてちらついて、もうあの荒野に君臨する芝ジーが見れないのかと思うと寂しいやら悲しいやら、なんだか芝ジーの存在が夢のように思えてきました。(朝から気持ち悪いこのテンション)

17日千秋楽。
もう最後だから目が干からびる勢いで見ようと意気込んでたら、まさかの最初のパパパーが涙腺直撃(早ー!)
これがラスパー(ラストパパパー)かと思うと、あたりまえに聞いてたパパパーですら慨深い。

序曲、いつも笑いながら倒れ込むところで泣く寸前のようなグシャっとした顔、もうこの時点で涙腺ノズルが開きかけてるスンラユダ。
香油ではけるときもジーザスをなごりおしそうに見てから空をあおいで退場。
なんだか千秋楽、ユダのまわりに哀愁のオーラみたいのが目に見えた(気がした)
カヤパさまも最後かと思うとwwwかなしいwww悲しすぎて笑っちゃうwww
さわやかに歌う芝ジーの顔ですらwwwおおwww

本当の意味での最後の晩餐、千秋楽に向けて高まりつつあった勢いがついに大爆発!もうスンラさんの中のユダ大暴走で、スンラさんの一歩前にユダの幻影が見える、そんな前につんのめるような勢いの演技。ジーザスとユダがお互いの感情を具現化して丸めて全力でぶつけあうような、感情のドッジボールのような晩餐でした。

「見捨てるだろう♪」で振り向いた顔が、すでに涙で目ウルウルキラキラで口わなわなのスンラユダ、「それがだれか知ってるくせに!」でジーザスの方を観た後、「あがめたとはこんな人を!」でこちらに向き直ると
鼻から一筋の光が
あれは・・・なにごとですか?(しらん)
いえいえ、鼻水くらいでは(いっちゃった)感動は壊れたりしないですよ。
土曜ソワレでジー口から香油事件を至近距離で見てしまった以上、もう何がきても大丈夫です。(多分w)
しかし今日は芝ジーも感情を抑えきれない状態で、すがりついたユダをスッ飛ばす「さぁー!」は歌風ではなく、最後が地声に戻り気味の絶叫でした。
あまりに感情炸裂しすぎなうえに、芝ジージェット機ばりの勢いで上手に走り込んだので、自由劇場、まるで戦場のよう。
圧倒的臨場感にまばたきする暇がありません。
突っ伏してしまったスンラユダ、二の腕に顔をうずめて震えています。
ええ、顔をあげたらキラキラがなくなってました。不慮の事態に対するスンラユダの適応能力の高さはもはや神レベルです。
最後、スンラユダのすでに安らかともいえそうな脱魂笑顔でジーザスに近づいて、去~れ~!言われた時「えっ、どうして!?」って感じに口を半開きにして動揺する流れが切なーい。
なんというか、報われなさに関してスンラユダの演技は神がかってます本当に。

そしてゲッセマネ、死にざまのロングトーンで、あれだけ伸ばしきった後にもまだ余裕がありそうな感じ。
日によってギリギリ感を感じる時もあったっていうのに・・・!
それにしても芝ジーゲッセマネはもともと破壊的な声量と安定感と低音の強さが最高だったけど、終盤にいくにつれてジーザスとしての感情も練りこまれてって、本当に芝ジージーザスとして存在してたなぁと思います。
あ、あと「いまだ!」の3文字を言う際の芝ジーが、一文字一文字まったく違うすごい顔をしてました(いらない感想)

自殺、もはや立ててることが不思議なくらいズタボロなスンラユダ、可哀想すぎて見てられないレベル。
ユダの亡霊に憑依されちゃったような、とりつかれたような演技で、歌わない箇所で鼻をすすったり泣き声漏れまくり。
ここでのスンラさんのユダ率は間違いなく200%超えでした。
そして後半、上手岩山に登る際、あまりのよろけっぷりに規定コースから大幅に外れるスンラユダ。

59.png

やばいぞ!タイムロスが!
下手ではあまりにも登りすぎて岩山のほぼ頂上にタッチ!(反対側に落ちる勢いの登りっぷり)(落ちなくてよかったw)
そして高いところまであがったぶんの長距離超回転。そして見事なまでに×のど真ん中で静止。
仰向けで倒れたまま、一向に起き上がらないので一瞬生きてるのか心配になりましたw(スンラユダならやりかねない)
もう沈み初める頃だよ!wと客が焦り初めるほどじっくり魅せるユダの自殺、「なぜだあ・・・」とゆっくり起き上がった後、沈んでいく瞬間に目を閉じて諦めたような表情で上を見上げるスンラユダ、もはやトラウマになりましたよ。

おそらくアンコール公演で一番開花した人物であろう北澤ヘロデ。
北澤ヘロデが千秋楽に向けて高めてきたのは間違いなくハッチャケ具合と変顔だと思います。
片眉だけ吊り上げて口角を片方だけ思いっきりあげる、あんな漫画のような表情が似合っちゃうんだからすごい!今期のダークホースオブザイヤーにノミネートしたい!ジーザスの髪を持ち上げて「うわ~バッチィ~!w」みたいに指をピラピラする動き、いつからやりはじめたんだろう。
時折マイクに入る鼻で笑う音「ブフゥ」も最初はあそこまで聞こえなかったような気がします。
「はああ~」って気絶しかける演技がキャラにハマりすぎてて何回観ても面白い!
もし7月いっぱい公演とかだったらどこまでいってしまったのか・・・
JCSの最大の見どころ、群衆の後半にかけての歌のヒートアップっぷりがすさまじかった。
特にムチ打ちシーンでの歌(掛け声?)の狂気っぷりが、アドリブの叫び声が、大迫力を通り越して恐怖でした。
ムチ打ち観ながら「ジーザスがあー!!」って叫んでる女性アンサンブルの人、すごかった。

そして終盤のスーパースター、とびきりの笑顔でスンラユダ登場!・・・と、思いきや・・・なんか・・・魂飛びかけてる・・・(笑)
さっき地獄に落ちたばっかりなのにもう1回天に召されそうな儚い笑顔が時々フッと、遥か彼方から帰ってきたのはいいもの、魂を半分おいてきてしまったようです。目がうるんでます。
そんな見かけはギラギラだけど優しい目で、客席をまんべんなく見て1人1人に語りかけるような、うまく表現できませんが、ものすごく感動してしまう千秋楽に相応しいスーパースターでした。
初めてエルサレムのスーパースターでジーンとした!

カーテンコールでは笑顔でお辞儀する群衆アンサンブルの方の目に涙が浮かんでて、ああ、最後なんだな・・・!としみじみ。
ぺテロとシモンもピョンと跳ねてから飛びきりの笑顔で(シモンは笑顔っていうかニヒルな笑い?w)舞台前までかけ降りて大きくお辞儀。
スンラさんは全てから解放されたような、「達成感」という文字を人間にしたらこうなりました。みたいな晴れやかな笑顔で元気いっぱいダンス。
円陣では「ぉぉお~!イェイ!!」の今までで一番大きな掛け声。

カーテンコールで並ぶ芝ジー、スンラユダ、高木マリア、そして今期のジーザスカンパニーを眺めながら、ああ、なんで人間の目に録画機能ってないんだろうと真剣に嘆きました。
果てしなく続くカーテンコールの最後に芝さんが1人で登場。
手を組んで深々とお辞儀したあと、背中をむけて丘の上へ。
そのまま一度も振り返らず頂上で拳を振り上げてガッツポーズ!

rasuto.png
そして丘の向こうへ消えていきました。
か、か、かっこいい・・・!
なんだこのONEPIECEアラバスタ編終結みたいな感動は!
ジーが腕を振り上げた瞬間に客席が「ワァッ!」と湧いたのがよかったです。
芝さん、どんな顔してたんでしょう。