国際線第99ターミナル

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日本と韓国のミュージカル観劇あれこれ

2012/11/10 JCSレポ

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非常にエスニックな顔立ちの神永ジーザス。
目が虚ろ。とにかく虚ろ。
始終表情が変わらず
1.真顔
2.ちょっとゆるめな真顔
3.怒り
の3バリエーション。
気軽に話しかけちゃいけない感じがとても神の子風。
愛と憎しみの対象である大役が代わった直後でも、全キャストのジーザスに対する熱が変わらないところが凄いなー!と驚愕しました。
いい意味で容赦がない、ユダもマリアも使徒も群集も変わらない愛しっぷり&憎みっぷり。
ということで以下飛び飛びですが感想になります。

序盤
触っただけで色々治りそうな気がする、ご利益感のある神永ジーザス。
積極的に助けに行く感じではないですが、差し出された手はしっかり握り返す。
中央に座り正面を見るとなんと両目から涙が!(+鼻水)
ユダの曲中、病人の手を握りながら涙してたのでしょうか。
ここまでかなり冷静に群衆に接してるように見えたので滅茶苦茶ビックリしました。早くも神永ジーがわからない。
「私のことを知ってはいない」の納得感、味わえる愚かな者たち気分、初体験!

市場
ひたすら売れない司祭3のウサギマフラー。
笑顔の宣伝もむなしく、最終的にウサギと顔を見合わせて首をひねる姿に泣けました。(面白すぎて)
しかも1度だけお客が来たと思ったら、なんと司祭3の尻ポケットに手を突っ込んで財布を強盗。ひーんw
隣の商人に抱きついて怖がる司祭3があまりにも可哀想すぎて内心爆笑してしまいました。
売上0どころか盗まれもしなかったうさぎマフラー、次回も要注目です。

そして市場に突撃する神永ジー
「AHHHHHHHH!」というシャウトを

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こんなポーズで決めてました。
神永ジーの裏声シャウトはシャープですごくカッコいいです。
自分で治せ!の直前にかなり長い裏声シャウトが入るんですが、シャウトと歌のコラボによる追いつめられ感が神がかってました。
このシーンは歌の流れが芝ジーと全然違いましたね。2000年版DVDのジーザスに近い感じです。
個人的神永ジーのベストシーンでした。

裏切りの金森ユダ。
お小遣い袋が投げられた瞬間、目をつぶってヤレヤレと吐いたため息があまりにもナチュラルな演技だったので、スーパースロー再生でもう1回観たかった。
このシーンに限らず、同じ演技は2度と観れないということが泣けるほどもったいない。
だからこそ毎回大事に観てるつもりなんですけどそれでもやっぱり・・・!

ついにきた神永ジーと金森ユダの対峙シーン。
新しいジーザスだろうが容赦なくぶつかって行く金森ユダの姿勢が素晴らしいです。ユダ的な意味で。
神永ジーの優しさあふれる「急ぎなさい」。
しかし「いわなくてもいい」で急に怒りだし、すがりつくユダを振りほどいて上手にダッシュ
そんなジーザスを笑ってるのか泣いてるのかよくわからない顔で見つめるユダ。うーん通常運転!
走り去るユダには手をのばさずうなだれる神永ジー
いやー、神永ジーの醸し出す運命に逆らえない感はかなりハードですね。
最後が「行け!ムぐに!」になってたのだけちょっと惜しかったですw

ゲッセマネ
「ペテロ・・・ヨハネ・・・・・・・・・・・・・ヤコォォブ」(失望感)(w)
神永ジーゲッセマネは一言一言ブチ切れ感満載の激しいゲッセマネでした。
上を見上げながら顔も怒ってるし声も怒ってるし歌も怒ってるし超怒ってるし。
死にざまは6秒くらいで切り上げ、残りの時間を演技に回し、神様を超睨みつけてました。
そしてそのまま不意に我に返ったようにドシャリと地面に崩れ落ちる神永ジー
目が虚ろすぎて絶望感マックス。
低い声のドスはないですが、叫ぶところとハイトーン部分が強い。

ヘロデ
緊急デビューほやほやの神永ジーザスに接近戦をしかける鬼畜ヘロデ。
お願いポーズで大接近からの「ぷぅ☆」攻撃!
しかし表情どころか髪の毛一本動かない神永ジー。まさかのヘロデ返り討ちフラグ!
ヘロデナンバーでヘロデの危機を感じるときが来るとは予想外すぎました。

自殺
「愛したのか」で大粒の涙がボロッとこぼれる金森ユダ。
ここまで通常運転だとやっぱりユダさん(本人)説を疑います。
穴に落ちる時、一瞬手を合わせてお祈りのようなポーズをしたように見えたのですが、偶然だったとしてもしんみりするものがありました。
破壊力に定評のあるユダのアドリブに新たな1ページが。

鞭打ち
神永ジーの静かな王っぷり。
鞭打ち時でさえ極力リアクションがなく、芝ジーのように我慢してるそぶりすらほぼなし。
途中青山さんが鞭を外したんじゃないかと思うくらい(笑)ノーリアクションなヒットも数発。
しかし耐えきれるのかと思いきや、後半は白目+口半開きで痙攣してるじゃないかー!死んじゃう!神永ジー死んじゃう!
39回目の鞭は本当に死ぬ直前みたいでした。
というか39回到達する前にいつ死んでもおかしくないくらいで、もしかして気絶してたんじゃないかと思うくらい表情が危なかったです。
でもこのリアクションの薄さで群集の愚かさが際立つという秀逸な反比例演出。
完全無抵抗の人間を痛めつけて笑う群集、あらためてカオス!

そしてピラトのマントにしがみつく女性アンサンブルの方の演技が怖すぎてイエーイ!でした(JCSの法則)
磔では既に弱り切って死にかけてるジーザス。
セリフは淡々としてましたが、なんだか神永ジーの磔は理不尽度が高くて、ゲッセマネの歌詞や演技を思い出してしょんぼり。

カーテンコール
ジーザス100%のままでてくる神永ジー
無駄に行進列を整えまくる金森ユダ。
最初からニコニコな高木マリア。
2日目とは思えないまとまりと落ち着き、斬新で勢いのある1時間45分でした。
神永ジーは訛りというより全体的にアクセントがなくて平坦に聞こえる曲が数曲あったのが気になりましたが、きっとこれからどんどん進化していくんでしょう。新鮮ですごく楽しかったです!
そして芝さんの元気な姿でパワーアップしたジーザスをみる日を楽しみにしてます。