国際線第99ターミナル

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日本と韓国のミュージカル観劇あれこれ

2018/1/10 スリルミー柿松ペア感想(ネタバレ注意)

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【悲報】かっきー彼の何も感じない病が末期に。
あばば、もう公園に現れた瞬間から正常じゃないことが一目で見て取れる、感情ゲージ欠落人間になってました。

一方、松下私からは溢れんばかりの愛が!
久々の再会には愛おしさ大洪水だったり、「そんなのおかしいね?」を君が150%間違ってるよ?風に言ったり。とにかくいたるところから彼のことが大好きなのが伝わってきました。
なので最初は上の図のとおり、息子のリアクションとまったく噛み合ってない過干渉おかんっぽいなと思ったんです。

しかし最後まで見たところ・・・

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ち、ちがう・・・!これはまるで嘘偽りない愛と真心を込めて育てた牛を肉用に出荷するようなやるせない物語・・・!
え、何言ってるかわからない?私もわかりません。
モ〜。(疑いを知らない瞳)

以下細かい感想になります!

【僕はわかってる】
やけに足首に急角度がついた、トリッキーな抜き足差し足で近づくかっきー彼。
松下私は久々に会った彼を、1年ぶりに孫に会ったおばあちゃんのような愛しさを噛みしめた顔で見つめます。偉そうか?と聞く彼を、2mくらいの距離から双眼鏡で眺めてたのには思わずウヘエwと笑いました。
私が歌い始める時、しばらく舞台左前で正面向いてボケーっと立ってる彼ですが、結構ちゃんと聞いてますよね?
振り返ったら事前に用意されてたマッチを、驚きもせず朝おかんがつくってくれた弁当のように当然だろ顔で受け取るかっきー彼。
なんでしょう、ものすごい信頼感。でも「ありがとう」とか「いいやつだな」とかいう感情はいっさい感じず、人間的な愛でもないし、
動物の赤ちゃんがとりあえず親にくっ付いてるのくらい原始的な信頼。
しかしこのペアはキスが激しいですね!1回めのキスした後、まじまじと私の顔見ながらニヤーって笑う確信犯っぷりに、あ、これは私裏切れないわ。と暗雲立ち込める未来を思うのでした。

【優しい炎】
さりげなく私の肩に置いた、彼の手から滲み出る愛着。
最後の彼がいなくなるところ、成河私はいなくなってることにビックリしてましたが、松下私は振り返る前から薄々いなくなってるのがわかってたような、表情を曇らせてから確認するように振り返るのが切ないです。
いつも突然、ふっと興味を失ったようにいなくなっちゃうかっきー彼。

【契約書】
このあたりはかっきー彼の感情表現下手すぎ問題のため見逃してしまいがちなのですが、よくよく見ると
・私「今日は帰らないって言ってきた」
「なんでぇ?」←真剣に疑問な雰囲気
・「お前じゃなきゃだめなんだ」(上目遣い)←反応を楽しみにしてる雰囲気
・契約書完成して持ってこうとしたら、すでに彼が立ち上がって待ち構えててびびる松下私←待ちきれない雰囲気
もしかすると喜怒哀楽全てのアウトプットが上手くできないだけで、元々は意外に感情豊かなのかもしれません。ほぼ真顔だけど。
最後も去り際にいたずらっぽく契約書を指の裏でピーン☆してくところはウザすぎましたが、柿彼の数少ない楽しそうなシーンといえるでしょう。(相対的評価)

【スリルミー】
「どうせ弟の誕生日だろ!」の寂しすぎる顔!(涙)
なんかもう夜の10時になっても親が迎えに来ない子供みたい!
しかしそんな顔はスルーして、イレギュラーな動きで迫る松下私!
投げられたカバンは肩で米俵担ぐような体制でキャッチし、それを床に落として両手でボフン!と潰したらほこりがバッフッーーーン!!www(カバン汚いwww)
彼の胸ぐらを掴んで起こすも、何も感じてないどころかどこ見てるのかすらよくわからないカッキー彼。これはどうか僕の目を見て!!という最小限の希望も納得!
しかし最初の寂しそうな顔から通して見ると、かっきー彼はめんどくさいとかじゃなく本当に嫌がってるので、よくこの状態で最後まで押し進めたな!と松下私にはほとほとガッカリだなあ!
結局誰も得しないスリルミーのラスト、空間を包み込む落合さんのピアノが儚く物悲しい音色をおびてて、とても切ない後味になりました。ここのピアノ最高でした。

【計画】
「思いついた、俺が興奮すること」の声がすでに興奮してなくてオワコン味を感じる。
弟殺す発言に「またそれか・・・」と顔をしかめるように目をつぶる松下私。彼の弟問題が深刻なこと結構知ってそうですよね?
どうでもいいですが、このあたりから柿彼の襟がスーツに入ってしまい、しばらくIT会社の社長のようなファッションになってました。

【Way too far】
塩酸の少なさにクレームをいれるでもなく、小さい子を探さないとな!とフレキシブルに提案する彼。妥協じゃなくて提案だったのが斬新!ちょっと優しい。

【超人たち】
おそらく喜んでいると思われるが、ぎこちない引き笑いで喜びも表現も下手くそなかっきー彼。
ここでも最後フッと興味を失ったように去っていくんですが、掴んでもこぼれ落ちるように去ってしまって、引き止められる気がしません!
かっきー彼のどう頑張ってもこぼれ落ちちゃう感じ、結局99年の最後までそんな印象でした。どうしようもない。

【僕のメガネ】
「やっぱり、うまくは(このへんで彼が目をほそめて耳をそばだてる)いかない」「ああ!?」←かっきー彼の人間味を感じる瞬間(ここでwww)
「悪かった」が2人の人生に致命的に影響する事柄にもかかわらず、全く悪く思ってなさそうと言うか、もはやどうでも良さそうと言うか、つまりこれが何もかんじないんだ病なのかな。焦りすらあんまり感じません。
比較的焦ってた松下私ですが、裏切られると静かに神妙な表情に。

【審議会】
松下私のNGワードフィルター→「猟奇的な事件」
前回気づかなかったんですけど、松下私も「驚きました」で笑うんですね!
でも成河私みたいに思いっきり笑うんじゃなくて、暗転0.3秒前に笑うサブリミナル笑顔。

【留置所】
カッキー彼、留置所まで来てもなお表情変わらないんかーい!
最初に悪態をつくところ、裏切り者呼ばわりするところ、謝り始めるところ、大体同じ顔。
レイ?の声色も撫でるような優しさなのに、顔みると無表情。
あらためてかっきー彼の重症度を再確認した僕と組んででした。

【死にたくない】
少しだけ口を開けて眉間にしわ寄せながら、深刻な顔で死にたくないソングを聞く松下私。
ナンバーの後、中央に出て行く前に、後ろ向きで丸まってる彼をちらっとなんとも言えない表情で一瞥したのが、今と当時がシンクロしたような一瞬で鳥肌!

【護送車】
自分の夢という名の秘密を話して、ちょっと嬉しそうなかっきー彼。
ここも、この100分間でかっきー彼に人間の感情を感じた数少ない瞬間だったんですけど、きっとこれが彼の人生最後の笑顔になってしまったんではないでしょうか・・・。
松下私の驚きっぷりに満足そうなかっきー彼。ここで初めて話したくらいだから他に話せる人もいないだろうし、本当に信頼してるんですね!
そんな彼にあのラストは辛い。辛いんですが!
今回のかっきー彼をみると、かっきー彼の心の病はもう社会で普通には生きていけないレベルまで進行しちゃってて、この結末は避けられなかったのかなと。
その仕方なさを松下私も少し受け入れてたような感じがしました。
怒るでも悲しむでもなく、ただただ私のこと見つめながら消えてくかっきー彼が、そ、そんな目でみないでくれえ〜と思うくらいドナドナ味を帯びた無垢さで、松下私の気持ちを思うと辛かったです。

【フィナーレ】
「彼がもしまだ生きてたら?」の問いに少し目を泳がせて、下をうつむいて心を落ち着かせてから、話しだすものの、途中で涙に言葉につまってしまう松下私。(これだけでいかに彼が大事だったのかわかる神演技!)
仮出所させてくれたら人生がまた違うものになるでしょうという言葉が、本当に違うものになりそうな印象で、思い出を胸に秘めつつも、再出発の兆しを感じる最終陳述でした。

出所した松私の前に現れたかっきー彼は・・・顔死んでる。
理想じゃなくて現実そのままを叩きつけるストイック系私。

真面目な顔で向き合う姿に、この思い出とは一生つきあっていくんだなと納得するリアリティのあるラストでした。

【雑記】

急遽追加した公演でしたが、前回からペアとしても、それぞれのキャラとしても変化していて面白かったです!

といっても今回各ペア2回ずつなので、時間が空いたから変わってるのか、はたまた毎回変わってるのかはわからないという...舞台の醍醐味であり、自制心との戦いでもあります!(今回そこはチケット難という不可抗力で不戦敗になってよかったー!)(泣)

 

この公演で本当の本当に私の2018スリルは終了ですが、まだまだ大阪2日目と名古屋もありますので、さらなる神公演爆誕をお祈りしてます!

そして凱旋公演お待ちしておりますー!!