国際線第99ターミナル

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日本と韓国のミュージカル観劇あれこれ

2015/8/22 デス・トラップ《後半》

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前半書いてから実に10か月が。

ということで追記より、ネタバレしまくりなデストラップ感想後半になります!

 

 

【シーン4】

妻の財産相続のため、2人の家に知人の弁護士がやってきます。

「あいつ、もしかしたらお前のアイディア盗みに来てるんじゃないか?」とシドニーに忠告する弁護士。

「いやいやまさか・・・」と言いつつも、念のためシドニーはクリフの留守中に原稿を盗み見てみることに。

鍵のかかった引き出しを無理矢理こじ開けようとしたり(失敗)、反対側の引き出しから手を入れてみたり(失敗)、様々なセコい方法を駆使し、ついに原稿をGET!

しかし衝撃の事実が判明。

なんとクリフは一連のマイラ殺人計画をそのまま戯曲として世に発表しようとしていたのです!

さすがにお前これはないわー!!とブチ切れるシドニー

勝手に見るとかありえないんですけどー!!と逆ギレするクリフ。

こんなにスリリングで面白い話はないじゃないか!と必死に説得しようとするも、あまりにもシドニーが怒るので、「先生とはいいコンビになれると思ったのに!ひどい!」と家から出て行こうとします。

それを見て折れたのか、正面から(一方的に)強く抱きしめるシドニー

一方こんな顔→(-_-)でカカシ風に抱きしめられるクリフ。

結局シドニーはデストラップの公表について妥協することになり、それどころかオチが思いつかないというクリフのため、2幕は自らが書くこという条件で円満合意となったのでした。シドニーちょろ!

 

【シーン5】

霊媒師が再びシドニー宅に「ロウソクを分けて欲しい」とやって来ます。

ここで霊媒師とクリフが鉢合わせ!

何故かお色気アタックをしかける霊媒師と、にこやかに断固ガードするクリフの謎の攻防戦が笑えます。

キスされそうになった手を音速で引っこ抜いたり、寄り掛かられそうになったところを押し返して相撲状態になったり。

そうこうしているうちにシドニーが現れ、クリフは二階にあるロウソクを取りに行くために退室。

その途端霊媒師の態度が一変、「ブーツの男はあいつだ!危ないから早く追い出しなさい!」と真顔でシドニーに忠告。

どのタイミングか忘れましたが、シドニーもクリフに前科があることを知り、密かに警戒するように。

 

【シーン6】

ある日の原稿中、突然シドニー「2幕の展開をリアルに考えたいから、一緒に再現してみよう!」と、安定の不自然な流れでシナリオ実演ごっこを提案します。

繰り広げられる、やる気のないクリフとシドニーによる脱力コント劇場。

 

⚫︎TAKE1⚫︎

シドニーの指示「ピストルで撃つから、撃たれたら壁にかけてある凶器まで走ってね!」

→撃たれた瞬間、猛ダッシュをキメて「怪我人なのに速すぎるわ!」とダメだしを喰らうクリフ。

 

⚫︎TAKE2⚫︎

シドニーの指示「壁にかけてある斧を掴んで!」

→斧振り上げてそのまま飛びかかってくるクリフに「やりすぎだから!!」とビビりながらツッコミをいれるシドニー。そのまま取っ組み合いになり、やりすぎてシドニーの首から血が出るw

 

そんなお笑いシーンもそこそこに、突如シドニーが本物の銃を突きつけます。

実はこのコントにより

①斧にはクリフの指紋

シドニーの首には傷。

そう、今クリフを射殺しても、シドニーには正当防衛が成立する条件がそろっているのです!

愕然とした顔でシドニーを見つめるクリフ。

見捨てられた子供みたいな、絶妙な切なさを込めた眼差しに(ジェボムさんこれ系うまいw)、シドニーは本気で嘆きます。

「命乞いはしないのか??」とか自分から言っちゃいます。

それを聞いて思い出したようにシドニーの足元にひざまずき、両手を合わせながら殺さないでと懇願しはじめるクリフ。

しかしもう後には引けないと、ついにシドニーは引き金に力をいれます・・・が、玉が入ってない!

「え!?」と何度も引きなおすも弾は出てこず、ふと顔をあげるとクリフが自分に銃を向けてるではないですか!

あらかじめこうなることを予想して弾を抜いてたみたいです。

かくしてシドニーは手錠で椅子に拘束され、場は一気にクリフの流れに!

 

【シーン7】

短期間に2人も死人が出たらさすがに自分が疑われるだろうと考えたクリフは、シドニーを放置して出て行くことにします。

去り際にシドニーの耳元で一言

「先生と過ごして本当キショかったです^ ^」

これにて最終確定となった人物相関図がこちら!↓

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1人取り残された部屋の中、ショックでマジ泣きするシドニー

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クリフが部屋を出たと同時に、ボロっと流れた大粒の涙。

もはや笑えばいいのか悲しめばいいのかわかりません。

可哀想なんですけど、その30倍くらい面白い。

ひとしきり泣いたと思ったら(この時間がまた長くて、15秒くらい「ぁふぅぅっおいおい」って泣いてた)突然無表情で手錠を外し、壁にかけたボーガンを手に取り、部屋を出て行ってしまいました。

そういえばこれ脱出芸用の手錠だった!

あえて拘束されたふりをして本音を聞き出したというところでしょうか。またもや形勢逆転、クリフピンチです!

 

【シーン8】

荷物をまとめてリビングに戻るや否や、空っぽの部屋に焦るクリフ。

慌てて窓から外を確認する彼の背後には、凶器を構えて忍び寄るシドニーが!

気配を感じて振り返った瞬間、ボーガンでSHOOOOT!

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ついにハートを射止めましたおめでとう!!(物理的に)

ここの撃たれ方が面白くて、窓を覗きながら自分で装着したのか?スタッフが装着したのか?どちらかわかりませんが、振り返ると突然胸にボーガンが刺さっててビックリ!

2人ともタイミングがばっちりシンクロしてたおかげで、本当に撃たれたような臨場感とリアリティー

クリフはよろよろと崩れ落ちます。

ここにきても未練タラタラなシドニーは、泣きながらデストラップの原稿を暖炉に投げ入れ、椅子でうなだれたて放心状態。

これにて決着と思いきや・・・あれ?クリフ動いてる?

さすが究極のサスペンスオタク、今度こそ本当に撃たれたにも関わらずデストラップに執着するあまり死ねなかったようです。不死身かい!w

後ろから無音で近づくクリフにシドニー後ろー!!」とデミョン全200人弱の観客が心の叫びを発するも虚しく、振り上げられたボーガンの矢がシドニーの首に突き刺さる。

何が起きたのかわからないまま、シドニーは死んでしまいました。かわいそう・・・。

しかしさすがのクリフも胸にボーガン刺さりましたからね。床に倒れこむわけですよ。

クリフの視線の先には暖炉で燃えるデストラップが。(本物の火で燃やしてる!)

執念だけで這いながら、手を伸ばし・・・あと少しという距離で彼も息絶えます。薄暗い部屋に倒れた2人と、静かに燃える炎がとても綺麗でした。

 

【シーン9】

事件から少し経ったある日、シドニーの家では霊媒師と弁護士がデストラップの発表権(だっけ?←)を巡って言い争ってます。

次第にエスカレートし、霊媒師が壁にかかってたナイフを振り回したところ、誤って弁護士を刺し殺してしまいました!

倒れたまま動かない弁護士を見て、ふと霊媒師は気づくのです。

自分がした予言。どちらもクリフのことだと思っていた予言。

①ブーツの男に気をつけろ

②ナイフで殺人が起きる

それぞれ別の予知だったということに・・・。

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最後いらないよね!?笑

映画版は漁夫の利的にデストラップを手に入れた弁護士&霊媒師が、これを舞台化して大儲けする面白いオチだったのに!

とまあオチはさておき、初の演劇でしたがサスペンスあり、コメディあり、ドッキリありで面白かったです!

思わずヒヤッとする要素も多くて、クリフが飛び込んでくるとこはもちろん、シドニーが振り回してたボウガンが地味に怖かった。客席に向けないでぇぇ!w

あと、途中から今どんでん返ってる?と隣の人に聞きたくなるレベルの連続どんでん返りっぷり。

展開はもちろん、クリフの①明るいさわやか!シドニー先生尊敬!→②小悪魔ぶりっこ!シドニー先生~!→③あー、おっさんめんどくさ→④おっさんホントきもいんですけど。までの豹変が面白すぎましたし、シドニーの①ひねくれたオッサン→②若者にうつつを抜かすオッサン→③へたれ可哀想オッサンまでの変貌も良かったです。

シドニーの人はあんなクセのあるキャラなのに、演技自然すぎというか漫画のキャラクターみたいな役者さんですね!

他にも無意識でシドニーの地雷踏みまくるマイラや、ギャグに体張りすぎな霊媒師、自分で言ったアドリブを回収できなくなって途方にくれる弁護士もいい味出していて会場爆笑でした。

再演したら是非また見たい!