国際線第99ターミナル

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日本と韓国のミュージカル観劇あれこれ

2016/4/24 地球を守れ!レポ

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邦題「地球を守れ!」というコメディ演劇を観ました。

 

【あらすじ】

父親は労災で死亡、元恋人は労働運動のいざこざに巻き込まれて死亡、お母さんは寝たきりという不幸な宇宙オタクの青年ビョングが、「こんなに酷い目ばかりに会うのは宇宙人の仕業に違いない!宇宙人の侵略から地球を守らなければ!」という妄想から、宇宙人と思わしき人物を誘拐して拷問にかける話。

 

以上!(どーん!)

おわかりいただけたでしょうか。

頭のおかしい作品です。(褒め言葉)

以下、原作映画を参考に感想を書いてます。

舞台で内容に変更があった場合気づいてない可能性大ですので、予めそちらだけご了承ください!

 

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冒頭では、今までビョングの犠牲になってきた宇宙人候補達(ただの人間)が、「ばーん!☆」とゆるいノリで撃たれていきます。

先述のような生い立ちなので、狙われるのはある程度地位のある人物ばかり。

 

今回のターゲットはとある大手化学薬品会社のカン社長。

ビョングは社長をアンドロメダPK-45惑星からやって来た、地球を滅亡させようとしている総司令官で、彼らの星の王子と話せる唯一の宇宙人」だと信じて疑いません。

早速捕獲すべく、社長(酔ってタクシー運転手に絡んでる)を取り囲むビョングと恋人スニ。

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何故かつられて楽しそうなカン社長。

しかし突然顔面に催涙スプレーをブシャーっとかけられ悶絶。

さらに首に麻酔をブスッと撃たれ、白目で気絶。

何も知らない可哀想な社長は、ビョングとスニに持ち上げられ連れ去られてしまいました。

 

目を覚ますと…

 

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すごい捕まってる。(笑)

(バッテン貼ってあるのかと思ったら、口に咥えるタイプだった)

ここから宇宙人であることを自白させたいビョングVSなんとかして逃げたいカン社長の激しい攻防戦が繰り広げられます。

正体を暴くため、ビョングは社長に数々の拷問を行うのですが

 

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拷問その1:足の甲をアカスリで擦りまくった後、強力湿布薬を塗る。

地味!(笑)だけど想像しただけで足が!足があああぁぁぁ!!

客席からもヒエエエ!とあがる悲鳴。

その後も立て続けに電気ショックやら何やら、突然のとんでもない拷問に目を白黒させながら悶え苦しむ社長。

しかしなんだかんだで耐えてて、意外としぶとい。

 

個人的に好きだったのは舞台オリジナルの小顔ローラーの刑ですね!

思いきり顔をゴロゴロされて、最初はギャピー!(´ㅠ◒ㅠ`)となってた社長ですが、しばらくすると

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気持ちいいことに気づいてしまった!

その後は「あ・・・むっちゃいい・・・」と目つぶってコロコロを堪能していた社長ですが、機械が壊れたのか効果が薄かったのが気に食わなかったのか、割とすぐ中断されてしまい

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「えっ!?終わり!?なんで!?良かったのに!」と名残惜しそうに叫ぶ社長にめちゃ笑いました。

 

他にも明らかにいなくてもいいシーンではけさせてもらえないという放置プレイがシュール。

ビョングとスニの回想シーンとか、他人の回想なのに舞台のど真ん中に放置。しかも興味津々で成り行きを見守る社長。

自分の出番が来ても椅子に拘束された状態で誰も助けに来てくれなくて、つま先を駆使して5センチずつくらいチマチマ前進し、1分くらいかけてもうすぐ舞台中央までたどり着くぞ!ところでビョングに見つかって元の位置に3秒で戻されちゃうところなど可哀想すぎて泣きましたw

 

中盤あたりだったでしょうか、またも関係ないシーン後方で、背中を向けてピンクのふりふりに着替えてる社長が気になります。

映画だとオッサンオッサンした社長がピンクのふりふりを着てるミスマッチ具合が笑えるのですが、ピル社長だと童顔だし普通に可愛くなっちゃうのでは?絶対かわいいよね!?

と振り返る直前まで早く見たい!とか思ってたらですよ!

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妖怪かと思いました。

思ってたのと違いすぎて口の横らへんから変な音出た。

まさかパンダ耳とピンクパンダメイクしてるとは・・・ビョング化粧下手すぎ!w

そして思わず生きろ・・・と声をかけたくなるくらいの顔の死にっぷり。。。

 

それでもめげずになんとかしてこの場から脱出したい社長。

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落ちてる鉄パイプに手を伸ばすも、

あと3cmのところでビョングに拾い上げられ

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衝撃で外れたパンダ耳カチューシャを、自分で一生懸命直す健気さに全大学路が泣いた。

 

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からのジーザススタイル。

すごい・・・人間どこまで恥をかけるかの限界に挑戦してる・・・!(謎の感動)

ここでも怒号の放置プレイが火を噴き、ビョングとお母さんの悲しいシーンなのに、後ろでジーザスのままはりつけられっぱなし。

(社長が時間稼ぎのため「宇宙語で「●×▽※□~!」っていえばお母さんは良くなるよ!」と言うので、ビョングはそれを信じて病室へ向かうのですが、「●×▽※□~!」と連呼するもお母さんは亡くなってしまうという悲しいのかなんなのかよくわからないけど雰囲気に流されて切なくなってしまうシーンがこのあたりです)

 

しかし、ついにここで捜索を続けていた警察が乱入し形勢逆転!

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一気に強気で解放を促す社長。手錠を取ろうとよじ登るのに苦戦するスニを足でゲシゲシ。

自由になってからはビョングにむかってウウ~!と犬のように威嚇してました。

しかし警察がビョングに撃たれてしまい、またまた囚われの身に・・・。

 

それでもへこたれない社長は、突然宇宙人らしいことを堂々とスピーチし始めます。

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自分は確かに宇宙人で、王子と交信しないといけないから外に連れていけと要求する社長。

最初は半信半疑のビョング達でしたが、スピーチ内容が宇宙図鑑や歴史書と一致していたため、3人で地球を守るべく外へ繰り出します!

 

目的地の宇宙ステーションまで車で向かう3人。

後ろのスクリーン映像にあわせてガタガタ道でアガガガガとなったり急カーブでウワー!となったり、最終的には道からコースアウトして車爆破w

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(飛びっぷりが見事)

 

そこからはついてこい!という頼もしい社長を筆頭にインディージョーンズばりの大冒険。

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(真顔の高速カニ歩きが光る!)

 

途中で警備員に名前を聞かれた際は、ビョング命名の宇宙人名コアアアァァァグエエエェェェググググ・・・・・ギュッツ★と答え、チームワークはバッチリです!

 

ついに宇宙ステーションにたどり着いた3人。

機械のスイッチをいれ(どれかわからなくて3回くらい押した)、社長は宇宙語で交信を始めます。

・・・と思いきや、油断していたビョング達のスキを付き奇襲をしかける社長!

偶然手に入れた銃をビョングに向けて発砲したところ

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とっさにビョングをかばったスニにあたってしまいました。

最後の言葉を言う際、「おじさんも来て」と呼ばれ一緒に看取ることになった社長、自分で撃ったのに取り乱して悲しそうです。

「ビョングは私のこと愛してた?」と聞くスニ。

「愛してるよ!」というビョングの言葉を聞いて幸せそうに息を引き取るのですが、普通だと手がパタッとなったり首がガクッてなったりするじゃないですか。

立ててた膝がパカッとガニ股になりました。

それをそっと閉じてあげるカン社長・・・(何これ)

 

ついにビョングと社長の一騎打ちに。

ダイナマイトで自分もろともすべてを吹き飛ばそうとするビョングでしたが、スイッチを押そうとした瞬間警察が駆けつけ、ビョングを射殺。

かくして社長は一命をとりとめ、無事保護されたのでした・・・!

 

・・・

 

(以下ネタバレ部分)

 

 

場面は変わり、ハイテクな宇宙船の中。

白い衣装を身にまとい、王冠をかぶった人物が家来を引き連れて現れます。

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まさかの社長が王子本人だったオチ。

ちょwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

宇宙後でしゃべってて後ろに韓国語字幕が出るので、どうあがいても理解できないwww

しかも喋ってる本人笑っちゃってるしwwww

どうやら王子は自ら赴いて地球を現地調査していたようです。

映画だと「電波妨害されて助けを呼べなかった。殺されるところだった」みたいな話をしてた気がしますが、最初にオデコにビターンとはられたシールがもしかしてそれだったのかな?

何はともあれ、地球の生物は戦争を繰り返し、私利私欲のために凶悪で、未来はないと判断した王子。

スイッチを押し、地球を爆破するところで舞台は幕を閉じるのでした・・・。

 

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もう1回みたい!w(でた)

観終わった後、一緒に観劇してくれた友人と無言で「wwwwwwww」となった瞬間が最高潮に笑えました。

原作の映画は暗い☆グロい☆後味悪すぎの三拍子でわりと真剣に2度と観たくない映画ランキングTOP3入りする感じだったのですが、舞台版はビョングのキャラがマイルドになっていたり、全体的に明るく仕上げていて面白かったです!

サーカスでの出会いのシーンなども丁寧に描かれてて、映画ではよくわからなかったスニがビョングのこと好きな気持ちもなんとなくわかったよ・・・!

 

しかしみなさんやりとりのテンポがいいのなんの、ギャグなのに素かと思うような自然体で進めてくのがすごいなあと。しかも全シーン大真面目だから狂気の沙汰でしかないw

去年のスリルミー以来出演する作品が100%面白い記録を更新し続けてるピル社長が出てるという理由だけで見ましたが、出来るなら全社長バージョン見てみたいと思いました!