国際線第99ターミナル

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日本と韓国のミュージカル観劇あれこれ

上海スリル~カルチャーショック大連発の巻~

キャストからクオリティ、すべてが謎に包まれていた上海スリル。
結論から言うと良い、いや、めちゃくちゃ良いスリルミーでした!素直に行ってよかったです!
日本版&韓国版とは異なる部分が舞台上、さらには客席で大発生していたので、本記事ではそれについて書きたいと思います。

まず劇場ですが、空港のような荷物検査を受けないと入れません。
何が没収されるかはその日次第!(適当www)
入場時から予測不能なスリルが味わえます。

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ロビーに進むと、フォトコーナーという激アツスポットが!
タイプライターと舞台と同じベンチが設置されていて、座り放題&触り放題です。
契約書を間近で見る大チャンスであります!

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いざ見ると「C」が打てないの結構痛いよねと思う。
リチャードが全部リハードになってるよ。
(ブレててごめんなさい)

以下ネタバレ含みます。

====

【役名】
気になる2人の役名は
私→内森(ネイサン)
彼→理査徳(リチャード)
上海のローソンが「羅森」だったので、ネイサンじゃなくてネイソンかもしれません。
でも劇中は名前では読んでなかった気がします。

【女性のピアニストさんがいる】
初の女性ピアニストさん!
黒のリボン付きブラウスに黒のパンツ、髪型は三つ編みだったかな?
なんとなく女性禁止感のあるスリルミーだったので新鮮でした。
もう1人の男性ピアニストがピアノ破壊系の演奏だったのに対して、丁寧かつ繊細で、今までにない切ない響きがとてもよかったです!

【暗転しきらない】
安全面の問題なのか、暗転しても舞台上がうっすら見えるので、場面転換時の二人の導線が丸見え!
ロマンチックファイヤー後にいそいそ彼の部屋に向かう私や、スリルミー後にいそいそ自分で服をはだけさせる彼など、今までもあったけど見えなかった、貴重かつシュールな裏側が明らかに。

【火気厳禁】
これまた安全上の問題なのか、スリルミーのキーアイテム「火」が一切NG!
そんな、火のないスリルミーなんて成立するのか・・・と思いきや意外と成立してました。
例えば「ボクはわかってる」で彼がどうしたかというと
①タバコを咥えてマッチ受け取る
②マッチをすろうとする瞬間に放火をひらめく!
③思わずタバコを投げ捨てて、未使用のマッチを眺める
と、まあまあナチュラルにこなしてました。
盗品のライターも蓋をカチャカチャいわせるだけでノーファイヤー。
公園バトルでもタバコを口に咥えた瞬間、キレて階段に投げ捨てる。
もういっそタバコもいらなくない!?

【最上級の絡み=ハグ】
中国は同性愛に厳しいのか、それともアダルト表現に厳しいのか、上海スリルの彼私はハグが最高レベルの接触です。
よって最初の公園で別れるシーンも

ハグ

彼「満足か」
私「・・・ああ」

 

ピュア!爆笑
いや、ここはまだいいんですけど、スリルミーの最後のデーン♪のところあるじゃないですか。
日本版だと彼をバッタンキングするところで、韓国版だとベンチの彼にクラウチングダッシュ決めるあそこです。
一体全体、ハグで放火を妥協するようなチョロQ私はどうするのかと、ニヤニヤドキドキ見守ってたところ

私「スリル!ミー!」(彼を椅子に座らせる)

デーン!(棒立ち)

何かしてwwwwwwww

【観劇スタンス】
上海のお客さんは感情移入をしないスタンスなのか、とにかく笑います。
私「放火なんてニーチェのどこに書いてあるんだよ!」→客席 \どっ/
私「彼の友情が必要でしたから・・・」→客席 \どっ/
しかし最大の爆笑ポイントはなんと、彼が留置所に連れてこられてから!
彼が苦境に立たされれば立たされるほど観客からは「ざまあwww」的な笑いが起こり、99年前の「わざとだよ」ではもう大爆笑。
彼の「狂ってる!」シャウトでさらに大爆笑。
これには素直にカルチャーショックでした!
まあでもたしかに冷静に考えると笑えるセリフ群ですよね。

しかし芝居自体はいたってシリアスなので、舞台上と客席の温度差ときたら、さながら砂漠と北極。
もしかして見えない壁があるのでは?!と思うくらい、平然と演技する彼と私のプロ力に感服しました。
多分日韓の役者さんだったら心折れるw

【客層】
上海は初演ということで、まだまだオタク層が少ない様子。
客席の大半をパンピが占めてる場合、一体どういう事態が生じるのか、実験のように3種3用だった客席の模様は下記の通りです。

・1回目→10~30代男女ごちゃまぜ。2人連れまたはカップル多め。
みなさん上演中も雑談しながらの観劇。
・2回目→老若男女ごちゃまぜ。下は小学生(!)から、上は60代まで。
結果、ロードスターおよびサペリアーで気分を害した年配の方が10人近く退席。
子供を鍵で釣る彼の前を知らないおじさんが歩いていくという、わけのわからない光景が爆誕
・3回目→上演後にファンイベントがあったため、中国初代スリルオタと思われる10代~30代の女性多め。とても静か。

もはや神のみぞ知る客席状況。
客席なしには語れない上海スリル、文化の違いですね〜!
ちなみに観客のウケっぷりはどの日もあまり変わりませんでした。
毎回大ウケです!