国際線第99ターミナル

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日本と韓国のミュージカル観劇あれこれ

韓国スリル 演出の話

大体日本版と同じ印象を受けた韓国スリルの演出ですが、今期はマイナーチェンジがたくさんあり「おお!?」と驚くシーンが結構ありました。
特に感じたのが

・彼と私の距離感が近い。(演出に組み込まれてる)
・全体をとおして私の回想であるという点が強調されてる。

この2点かな?
二人がより仲良しに見え、過去の回想をしている53歳の私が浸りすぎてなかなか現在に戻ってこれなかったり。
Way too farでは53歳の私が当時の彼を見つめている間に自分も19歳に戻っていたり。過去と現在が瞬時に切り替わらない感じといいましょうか!
現在と34年前を客観的に並行して見ていく感覚だったのが、常に53歳の私の記憶を覗いているようなスリルミーになってました。
こないだの日本公演の際、雑誌などで<私>が主演扱いされているのを見てダブル主演じゃないんだ~と思ったのを思い出しましたが、今回の韓国版は私が主演だなという印象でした。

以下大小ごちゃまぜで演出変更ポイントを列挙してみました!
個人的に大きいと思った変更は★マークにしてあります。

●彼の登場●

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従来の最短ルートとは打って変わってえらく大回り。
私の近くに来てから段差に上がるので、バレないようにこ~っそりあがる彼が面白い。

★優しい炎★
やたらとラブラブ度高。
彼が炎を見つつ、私のこともちゃんと見てくれるという革命的演出!(大事件)
途中で彼が私を階段上にエスコートしてずっと抱いてくれます。
そして最後はペアによって顔を近づけたり、笑い合ったりしながら暗転。
よかったね私・・・!幸せしか感じない空間だよ・・・!

・・・と思いきや

ぼんやり舞台中央に明かりが戻ると、まったく同じ体勢のまま彼だけがいなくなってるという!
階段に座りながら、1人寂しそうに彼がいた場所をなでる53歳の私。
優しい炎を幸せな思い出として描くことによって、置き去りにされた現在を際だたせるとは!ひゃー!にくい演出!
日本版99年の「だがこれから君は孤独だひとり」が自然と思い出されました。

●優しい炎の翌日●
前回までは日本版と同じく彼の部屋に私がやって来るところから始まりましたが、今回はすでに彼の部屋に侵入済み。

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しかもやたら近い。
ピルソク私とドンファ私はハアハア息切れしてましたが、走ってきたの!?w
そして超至近距離で聞く「どうやって入った」のシュールさ。
「弟」がギャグっぽくあつかわれるのが斬新で、「弟ですけど?www」とか「弟にきいちゃうおっかな~!?」みたいなニュアンス。私強い!
このシーンは開始から「何読んでるの?」までがアドリブ盛り込みポイントになってるようで、毎回いたる箇所で笑いが起きてました。

●スリルミー●
演出変更ではないですが、今回観た私のうち3人中2人がカバンを彼に向かって蹴りつけるご乱心っぷり。

●スリルミー後●
右のベンチに彼が座ってるのは従来通り、私はそのすぐ目の前の段差に座って服整えたり話したりしてます。
彼が咥えてるタバコを横取りしてスパスパ吸い始める私も。

★戻れない道★
手錠をした53歳の私が歌いはじめ、彼の姿を見ているうちにいつのまにか手錠が取れて自分も19歳に戻ってる。

ロードスター
今期日本公演&前回韓国公演であった私のお見送りが廃止(笑)
スポーツカーがななめ駐車になり、向かって右側の客席壁に彼のシルエットが浮かび上がる仕様。

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子どもがいる位置に弱めのライトがつくので、誘拐が視覚的にわかりやすい。

●公園●
1回目の公園での待ち合わせの際、私のところまで息切れしながらダッシュしてくる彼。

「お前ー!!」(日本版の「待てよー!」にあたる部分)が必ずしも絶叫ではなくなった。

★手錠が取れるタイミング★
ここも自由なのかな?ピルソク私とヒョンフン私はフィナーレ最後の「スリルミー!」で手錠が取れました。
彼の幻を後ろに手錠が解けるので、今までと受ける印象が全然違います!帰り道はもっぱらここで手錠が取れる意味を考えてしまいました。
ドンファ私だけ日本版&前回までの韓国verと同じ「自由・・・」のあとでしたね。

こんなところかな?また思い出したら追加します~!