国際線第99ターミナル

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日本と韓国のミュージカル観劇あれこれ

2015/2/20スリルミー ピルソク私×ジェボム彼ペア

未だかつて、警察に怯えて震えが止まらなくなる彼がいただろうか。(しかもそれを私に励まされる)

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今回は初演組の私×元私役の彼という面白そうすぎるペアです!

元私役の彼ってどうなんだろう?アプローチが違うのかな~?とのんきに構えてたら、全シーン大事件ですよ先生。

全部書いてたら論文並の長さになってしまったので、具体的なやりとりは別記事のメモにわけました。

それでもweb小説かよというレベルで長いので、ご興味のある方のみどうぞ!

 

【彼】

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ジェボム彼の最大の特徴はなんといっても私大好きなところでしょう。

私との愛が五分五分。もしかしたら彼の方が上かもしれない。

韓国版の彼は私のことを「チャギヤ」と呼ぶんですが、その「チャギャ~!」に込められた好感っぷりときたらはんぱないです。

なので、再開シーンも1年間待ちに待ったチャギヤに会える日みたいなテンションでやってきました。

声をかける前から1人で柱を軸にクルーンとしたり、後ろでウロウロ、ときどき私の方を振り返ってはニヤニヤ。

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早く話しかけんかーい!と突っ込みたくなるウキウキ感。

どう考えても1年間ゾッとするほど寂しい日々を送ってたのは彼ですね。

最終的にどう声をかけるのかと思ったら

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叫びながらタックルwith助走 featuring 奇声

私も驚きながら「はっwwこのやろう!ww」(この嬉しくて言葉が見つからない的な「はっww」が毎度ツボ)と、未だかつてないほほえましい再開シーンに!

その後も彼の方から手を広げて「まずこれでしょ?」とハグを促したり、二人して「おおお〜(≧∇≦)」と嬉しそうに声出して抱き合ったり、「どうせ俺がいない間ウジウジしてたんだろ〜!?」と脇腹くすぐって爆笑してたり、もはやこれがスリルミーなのかすら疑う仲良しっぷりです。

 

他にも

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タバコを口でふりふりしながら「火~♪」と言ったり。

 

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私がドサクサに紛れて膝枕してたり。

(「超人の俺は~」で彼が寝ようとする一瞬のすきに滑り込む)

(そのまま寝ながら前髪毛づくろいされる彼)

 

優しい炎の最後、キスしようとする寸前で彼が1回顔を離して、目つむって待ってる私を見てフフッと笑いながら暗転してったのはジェボムさん天才かと思いましたね。

 

おわかりいただけたでしょうか。

異常事態です。

 

しかしジェボム彼、父親は弟びいきで自分はじゃけん扱い、一番の親友は家庭・財産・頭脳に恵まれた天才という環境のせいか、時折劣等感や自分を認めてほしい欲求、焦りらしき言動がチラホラ。

自分のことを話すときや、何か察してほしいときに無意識に不安そうな動作がでてるんですよ。最後の夢について語るシーンで、目を泳がせて一瞬言うのためらったうえ、話し終わった後も自分で苦笑してた姿が印象的でした。

超人も目的というより認めてもらう手段みたいな感じで、脅迫状を褒めてほしそうに「どう?どう?」と見せてきたり、メガネ落としてからも私を全力サポートしたり、私に認めてもらうことで自分の存在価値を見いだしてるような・・・今までどんだけ認めてもらえなかったんだよ!と、涙がちょちょ切れました。

 

【私】

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そんな彼を優しいまなざしで見守るお父さんのような落ち着いたピルソク私。わかってたけど1月のピル私と全然ちがう。

ハキハキしてて明るいしノリもいい、それでいてしっかりしていて頼れるという超ハイスペックな私です。

失礼ですが

彼にはもったいないw

最初はなんでこんなにしっかりした私が彼にこだわるんだろうと思ったりもしましたが、かっこつけながらも弱さ丸出しで「チャギャ〜!」と子供みたいに懐いてる彼を見てたら、まあ理屈じゃないんだろうなと妙に納得しましたw

 

【このペア】

ボム彼はとにかく家族愛に飢えまくりなので、例えば脅迫状のシーンでは「俺が誘拐されたら父さんは〜」のくだりを話した後、口をすぼめてわざと辛いの誤魔化してるような表情をしたり、 「お前は自慢の息子だからな・・・でも俺の親父は世間体しか気にしないから」もとぎれとぎれで目もうるうる。

最終的にはタイプライター打つのも中断して、私と向き合って人生相談所状態。

なので自分が欲しかったものを埋めてくれるという意味でボム彼は本当に私のことが大好きなんだなということがひしひしと伝わってきました!確かに私はどんな自分を出しても好きでいてくれますからね!

親のような包容力で、お兄さんのように頼れて、弟のように可愛がらせてくれる、ピル私のカバー範囲はんぱない。

 

しかし親の愛は無条件だけど、私の場合は見返りがいるという決定的な違いがあるわけで、相手に求める関係性のズレがこのペアの崩壊原因だったように思います。

特にスリルミーで無理矢理要求聞かせたのが本当にだめでした。

上手よりだったので、壁の方を向いて服を脱ぐ彼の怒りと悲しさが混ざったような表情が見えてしまいました!

しかしこれって私にも酷な話ですよね。さすがスリルミー救いがないw

 

【公園バトル】

登場直後から顔がひきつって挙動不審なボム彼。

話してる間ずっとポケットの中のライターを落ち着きなくカチンカチンいじってます。

途中タバコで落ち着こうとするもそのタバコすら震えで掴めないほどガタガタ。

その後なんとか口にくわえるも、今度はライターをもった手が震えて火がつけられない悲劇。かわいそうwww

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一方思いっきり理不尽なこと言われてるのに、取り乱す彼をなでなでして落ち着けようとするピル私の大人力!

どうみても思考回路はショート寸前な彼を見てかえって冷静になれたのかもしれませんが、警察の取り調べをかわしてさらに彼を励まさなきゃいけないピル私も大変ですね!もはやどっちが取り調べ受けてきたのかわかりません。

そしてこれだけ独特な演技プランにも関わらず、「大丈夫、大丈夫だよ・・・」と顔をなでてから「もううちに帰ろう」とナチュラルに繋がってくのがすごい。

最後、涙目で怒りながら捨て台詞を言って小走りではけていった彼。

あろうことが彼の方が見捨てられたように見えた公園バトルでした。うそだそんなまさか!

 

以下ネタバレ部分なので追記で!

 

 

【留置所~】

すぐに私をキッと睨んで怒りアピールをするも、いつも優しく甘やかしてくれるはずのピル私からは深刻に怒ってるオーラが。

それを察した瞬間のボム彼のショックの受け方が面白くて、よくスーパーで駄々こねてればお菓子買ってもらえると思ってたのに、置き去りにされて号泣しながら必死に追いかけてく子どもいるじゃないですか。あれでした。笑

自分が期待してた反応に対して、まったく予測してなかった反応が返ってきたときのビックリパニック。

必死に私の肩や首をペタペタ触りながら「アニャ!アニャ、アニャ~(泣)(違う、違うんだ的な)」と泣きつくも、許してもらえなさそうな空気に打ちひしがれる。そこからの「僕と組んで」。

正座して恐る恐る私を見上げるガチ反省スタイルが功をなしたのか、レイが手をとって「なんでもするよチャギヤ」と言ってくれました!(この私側からも彼をチャギヤ呼びするのたまらん)

それを心底嬉しそうに両手で握り返し「強くなれ、俺みたいに」と言うのですが・・・

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セリフ途中で泣いてしまい説得力0w

ここで泣くという発想は目から鱗

でも今までどおり振舞うにはメンタルが弱すぎた、斬新な彼像が違和感なくそこに存在してる奇跡。

ここは調子のってる彼にムカつくシーンだったじゃないか!なんだこれは!最高だFooooo!

散々振り回したあげく、自分に失望してる私に対して、色々な後悔と「助けて」と「ごめんなさい」を感じる僕と組んででした。

 

【99年】

真相に対して、理解してないわけではなさそうだけどリアクションが薄いボム彼。

2番サビ前で私が近づいてもうつろな目で見つめるだけで、怖がるわけでも怒るわけでもなく、後ずさりもせず。

全部の感情メーターが振り切れたような、結局お前も味方じゃないの?(「結局」がポイント)みたいな表情で、はけてく最後の最後まで私を睨んでました。

「お前をまた置いていってやる」は手錠された手で私を指さしながらからかうように歌ってましたが、無理してる感が出すぎてて逆に痛々しかったです 。

そしてそれを見るピル私のまったく動じない感じに我々の心はフルボッコです。

世の中で唯一信頼してた人間に裏切られた彼の心境を考えると、私やりすぎだよ!ひどい!家族事情が複雑なこと知ってたのになんでもっと相談に乗ってあげなかったんd(略)もっと我慢してあげr(略)(略)(略)と今まで思ったこともないような感想が脳裏をかけめぐりました。

 

しかし2番のサビが本当に良くて!舞台の真ん中で至近距離で向かい合って、2人とも無表情のまま相手の顔を見ながら歌うんですけど、時間止まったのかと思うくらい口以外はまったく動かず、無感情な空気と99年の哀愁あるメロディーとが相まってとても綺麗なシーンでした。

 

【フィナーレ】

大体彼は2階の明かりがつくとすでに正面向いて立ってるんですけど、ジェボム彼は

昼→明かりがつくと同時に、今到着したように前に歩みでてくる。

夜→斜め前を向いてる状態から、今私に気づいたようにパッとこっちを向く

どちらも笑っていて、どことなく嬉しそうな空気が私のこと大好きだったころの彼そのままでした。記憶が鮮明すぎて、今もそこに生きてるみたい!

それをみて苦しそうに笑うピル私。

彼がいない世界に生きてること自体が私にとっての罰みたいな、「自由・・・」の何も嬉しくない感じが妙に腑に落ちました。

ピル私、彼の本心に気づききれてなかったのか、はたまたわかってたけど強引にいってしまったのか。54歳の私に切り替わるたび、伝わってくる後悔の痛みがすごかったです。

 

そして最後、さらにトドメがありました!

「スリルミー」で手錠が外れるのですが、なんと同じタイミングで彼が両手を広げて私を迎えるようなポーズをとってるじゃないですか!そのまま首をかしげてニコっと笑ったところで暗転。

 

最後の爆撃のおかげで客電がついたあとリアルにうなだれました。

 

【雑談】

こんなにつじつまの合うスリルミーがあるとは!あそこはどういう心境だったんだろう?と思い返すと全編のどこかしらに答えがあるんですよ。思い出せば思い出すほど納得!すごい!

マチネの中盤に差し掛かる時点で、すでにソワレでもう1回観れる贅沢さに涙が出そうになるくらい良い公演でした。

このペア、キャラが日替わり定食のように変わると聞いたので、スリルミー大学韓国スリル学部があったら私はピルボムゼミにはいります。

 

しかし日本版⇔韓国版が違うように若手版⇔ベテラン版もまた違うという、新たなエリアに踏み込んでしまった感ですよ!