国際線第99ターミナル

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日本と韓国のミュージカル観劇あれこれ

2012/2/7 エビータレポ

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自身と期待と野心がみなぎるブエノスアイレス
よってくる男を構ってはペッぺと振り払ってく秋エビータの男前度ときたら!
2幕はじめの演説シーンで、民衆に寄りそう優しい表情からの夜神ライト級計画通りフェイスへの豹変が最高。ここまで来てもまだまだ野心ギラギラです感が伝わりすぎる秀逸な演出でした。
ということで歌も演技もハツラツとした秋エビータの日に。初めてエビータへ行ってきました。

開始早々芝チェ、歌、うま!
初聴きでも掴みのいい曲はさすがアンドロイドウェバーさまさまです。
芝さんの歌は歌詞のひらがな一文字一文字が爆音なので、こういうアップテンポな音程の上がり下がりが激しい曲が栄えるといいますか、音の1つ1つがビニール袋だとしたら全部爆発寸前にパンパンな感じで聞きごたえたっぷり!
とにかく最初のコイツはサーカスからノリノリでミュージカル全体に勢いが!もはや芝チェ自身がサーカス!顔がアコーディオンみたい!(失言)
素晴らしいドヤ顔といい、これからこのチェという人が物語を案内してくれるのかと思うと楽しいやらワクワクするやら、さらに秋エビータも芝チェも歌は上手いし歌詞が聞き取りやすいので、初見でもストーリーを理解しやすかったです。

ペロンの椅子取りゲームのシーン。これは「ペロンは椅子取りゲームのような運とノリだけでトップまできてしまいましたテヘ☆」ということでいいのでしょうか?最後盛大にフライングで座ったことをブリッコでごまかすペロン大佐。

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明後日の方向を見ながらしらじらしい顔で椅子の角にチョコンと腰かける大佐。
なぜか脚をななめにかけた美脚座りでちょっとオトメティック。

ミストレスのシーン。
ペロンの家に行くとピンクリボンの女の子がいたので子供いたのかー!と思ったら彼女だったー!(今回一番の衝撃)
こんなに若くて純粋そうな子に手を出すとは・・・ペロン・・・やりおる。
エビータに容赦なく追い出され、寂しそうに外で歌い始めるミストレスは、高音パートも発音ハッキリで、裏声っぽさを感じない綺麗な声でした。
そしていつのまにか後ろに忍び寄り、勝手にハモり出す芝チェが気になる。
警察が通ったら間違いなく職務質問されそうです。
最後にミストレスが芝チェに「どこに行くの?」(?)と訪ねるのですが、その答えが 

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知らないのか。
全然笑う所じゃないのに危うく噴出するところでした。
今の意味深な間は一体なんだったんだ。
ところで芝チェは全体的に顔も動きも色々すさまじくて、何の罪もないけど勢いだけで逮捕できそうなギラギラっぷりを終始振りまいていたのですが、1幕終盤で本当に逮捕されましたwさすが芝チェ!

他に印象に残ったのは、エビータの花の髪飾りが床に落ちてしまったのを、曲の終わりと同時にチェがゆっくり拾い上げて見つめるシーン。おそらく間違って落ちてしまったんだと思いますが、それが思いがけずこれからのエビータの運命を暗示しているような大変素敵なカットに仕上がってました。
こんなに綺麗なのに突然地面に落ちちゃった!みたいな感じで。

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(その後髪飾りはチェのズボンポケットにINしました)

始終誰に感情移入すべきなのか迷いながら観ましたが、病気になってもさらに上を目指そうとするエビータを見て、自分はペロン派だなぁと思いました。
劇中でペロンはエビータについていけなかった気弱な人物にうつりましたが、それまで敷かれたレールの上を歩いてきた人間が突然代表として革新的な行動をとっていくのは怖いですよね!
しかも選挙時から率先して支えてきてくれたエビータにもう希望がないとわかれば、その先1人で決断も行動もしなければならないですし。

ということで例にもれずひどい感想になってしまいましたが、上手くいくばかりじゃない実話ならではのストーリーと、それをノリの良い曲に乗せて喜劇チックに展開していく進行がとても面白いミュージカルでした!
アルゼンチンの貧しい群衆も、1人残らず目の見開きっぷりと表情の必死さがリアルだったので、もしまた行く機会があれば群衆にも注目してみたいです。

あとマガルディかっこよかった。