国際線第99ターミナル

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日本と韓国のミュージカル観劇あれこれ

2011/10 SONG & DANCE ~The Spirits~レポ

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木刀で打たれたりヤクザにリンチされたり剣で串刺しだったり、飯田ペテロさんが色々と大変なソンダンでした。
(曲目一覧は一番下にあります。)

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15曲中13曲が三木たかし曲(86%)という波乱が波乱を呼んだ第二幕の曲目。知っている曲も少なく警戒気味だったものの、結論から言えば心配ご無用でした!
今回は各ミュージカルのいわゆる王道ソングが少なめで、歌で魅せるシーンより演出バリエーションや四季の役者さんの特性(双子演出は特にすごかった)で魅せる部分が多かったです。
その分55に比べると曲と曲のつなぎ目がスムーズでなく紅白歌合戦臭を感じさせるところもありましたが、55が名作ミュージカルナンバーあってのソンダンだとすれば、spiritsは劇団四季あってのソンダンという感じでした。
学芸会ノリな部分もありNHKの歌謡番組っぽくもあり、そんなところに覚える親近感にニヤッとしつつ、斬新な2時間半をエンジョイしました。(楽しみ方間違ってたらごめんw)
とりあえずノートルダム好きな方は行ってまちがいないです!コーラス感動ですよ!あとシンガー枠はそれぞれおいしい見せ場があるので、好きな役者さんがいればより楽しいと思います。
演出は全体的に55とくらべるとこじんまりしてますが種類が豊富です。

以下印象に残った場面だけですがちょこちょこ感想。

ノートルダムの鐘】
メインのクロパン役は阿久津さん、神父が種井さん。
序盤の静かなコーラス部分から始まり、なんとセリフ付きというノートルダムファン垂涎のナンバー。
ただ完璧なフルバージョンではなく、クロパンの腹話術やフロローの歌などは省かれてます(残念!)
演出も衣装もディズニー版を意識していて、加藤さんのジプシーのはまりっぷりときたら、演技も雰囲気もいいし神ですね!DVDを見てるとより楽しめそうな感じです。
しかし原作を見てると悪役フロローが出てきたところで大爆笑してしまう危険性があるのでもろ刃の剣でもあります。
というのも、曲が盛り上がっていよいよ悪役登場!誰だ!という中、真っ暗闇の中にいきなり仁王立ちでヘンテコな帽子をかぶった西尾さんがライトアップされたので、あやうく椅子ごと1階に落ちそうになりました。
めっちゃ怖い!!(笑)100人は殺ってそうです。
赤ちゃんを大きく振りかぶって投げようとする西尾フロロー、投げはしなかったものの赤ちゃんは遠心力で死んだと思われます。
そこへ「やめろーーーー!!!!」と飛び出す種井神父、上から下まで全身白の神父服がゴマちゃんのようでとってもラブリー。
最後の盛り上がり「ベルがベ~ルベ~ル♪」部分はクロパンソロではなく全員でのコーラス仕様。
大迫力でそれだけでも感動なのに、中央でせりあがった塔の上で全身を使って上下に紐を引いて鐘をならすカジモドの動きが完全にDVDとリンクしていて、感激のあまり今帰ってもいい!と思いました。(※3曲目)
しかし本当に四季コーラスでノートルダムを聞けたことに心底感動しました。
だってこれは生ノートルダム!本物!!これだけでも来て良かった!

【天使が僕に】
リタオ氏紙飛行機爆撃タイム1回目。上手前方がデンジャラスエリアです。
ゆったりとなげた純白の紙飛行機が猛スピードで客席に垂直落下(笑)
途中天使のお姉さんが大量に出現するというハイパー直球演出。

【ボイパ】
確かこのあたりで飯田ペテロさんによるボイパタイムがありました。
最初ボイパだということに気付かなかったのが悔しいwくっそ~www

【ぶち切れそう】
ついに例のポールダンスタイムが!
このナンバーは歌もダンスも男性陣だけで披露するのですが、男のポールダンスってのはまたなんというか凄まじいですね(笑)
歌は覚えてる限りでは司祭3とペテロが歌ってました。
ステージセットの上で女性ダンサーがシルエットだけですが3人踊っていてとてもセクシーなので、上と下どっちを見ようか真剣に迷いました。

【ママ】
打って変わって女性オンリーで華やかな雰囲気に。
衣装が四季にしては過激めで、まるでSMクラブのよう。
ポールダンス初めて見ましたが、やっぱり女の人の方がエロカッコよくていいなぁと思いました。
本場のポールダンスもみてみたい。(はまったらどうしよう)

【人生を踊り明かそう】
黒板とベンチがならぶ教室風のステージセット。
ぶちぎれそう→ママからの流れなので、ごくせんも真っ青な服装オンパレードスクールに。
先生役の種井さんが出てきて「宿題やりましたかー?」と生徒たちに呼びかけ。
無言なのに「やってねぇ~!」という声が聞こえてきそうな動作をしている飯田さんが棒で頭をべしっと叩かれたので、これは彼が歌うのか!?とワクワクしたのもつかの間、反対側にいた生徒がくるっと振り向き「学校から~♪」と歌唱開始。まったくもちろんリタオ氏です。
ですよねーーー!!!!笑
いや、この歌はあなたの歌です!

【マンゴジェリーとランペルティーザ】
マンゴジェリーが萩原さん、ランペルティーザが加藤さん、歌担当は飯田さん。(最後にちょっとだけ種井さん)
マンゴランペの歌を第三者が1人で歌うのは、ブロードウェイ版CDでマンゴランペをミストフェリーズが一人で歌っていたのを思い出しました。
ダンスもイギリス版DVDのCATSを連想させる振付になってたと思います。
息ぴったしに可愛い振りのダンスを繰り広げるマンゴランペの後ろの少し高いところで歌っている飯田ペテロさん、超正統派美声だし心なしかドヤ顔だしで幼稚園の先生っぽいというか、歌のおにいさんのようで大変素敵でした。

後半に入るとマンゴ&ランペプロデュースのマジックタイム、椅子に座った飯田さんの頭に箱をかぶせて長い剣で串刺しに!
容赦なく6~8本ほどグサグサ・・・刺されるたびに手足が動いてて、ジーザスの手足に釘どころじゃないエグさw
最後に箱の全面をパカッとオープンすると、中には貫通した剣だけで顔がない!どうして!?
その後にもう1つ長い紐をつかったマジックを披露するのですが、どのマジックもマンゴランペになりきっていて動きがコミカルで可愛いかったです。

【おしゃれは私の切り札】
おっしゃれー!なアムネリス役は智恵さん。
カラフルな衣装のダンサー達の中央でドレス早着替えを3連発で披露しながらの力強い歌声、大変イケメンでした。
この曲は今作の観客参加型ナンバーで、いつのまにか客席に出現した人さらい(誤解)により8人ほどステージにエスコートされ、それぞれおっしゃれー!な服装にドレスアップしてもらえるというものでした。
自由の女神やマリーアントワネットなど、もう本当におっしゃれー!でおっしゃれー!な衣装ばかりでした。
着替え終わると舞台中央に敷かれたレッドカーペットを歩きポージングタイム&カメラマンによる撮影が。
慣れてきたころに、ノリノリなお客さんが出てきたらまた面白くなりそうです。
エスコート範囲は前方に限らず通路横の座席で、帰りはステージ袖にはけていたのでステージ裏を見れる貴重なチャンスかもしれません。
ファッションショーの写真は幕間にロビーでプレゼントとして受け取れるそうです。おっしゃれー!

 

【サークルオブライフ】
青山さんラフィキの貫録はさすがというか、衣装着てないのにラフィキの幻影が見えました。
舞台両端に高台があり、それぞれ右に斉藤さん、左に西尾さんが立ちラフィキの歌にレスポンスするのですが、3人とも高音なのに声大きくて上手い!(西尾さんの声高すぎて誰か気づくのに5秒かかった)
次に見たらいつのまにか斉藤さんがいた位置で飯田さんが太鼓叩いてました。いつの間にw
とにかく演奏は生だし、キャストも総出演だしで大迫力のサークルオブライフ、盛り上げに盛り上げ切ったところで幕が下りて休憩、なんて贅沢かつニクい演出!
少し前に春劇場でも演出は違えど同じ空間が再現されてたのかと思うと、場所を問わず1つの世界を作り上げちゃう演劇って本当すごいな!

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【煉獄のオイラ達~暴走族~】
Mr暴走族といえばこの人西尾さんと、萩原さんがステージ上に現れ前奏と共にダンススタート。
てっきりこのまま西尾さんが歌うのかと思いこんでたら歌に入る直前、舞台前方に突然リタオさんが滑り出てきて
歌い始めた!意表つかれた!(本日2回目)

【煉獄のオイラ達~ヤクザ編~】
まずヤクザが飯田さんだった時点で出オチでしたwww

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どうみてもバカボンです。
舞台中央で怖いお兄さん達がギャンブルで遊んでいる中、少し外れたところに座り込んでヤクザの歌スタート。
歌も中盤にさしかかるあたりで自らもギャンブルに参加する飯田ヤクザ。
無茶苦茶かっこよくチップ(多分全財産)を賭けいざギャンブルスタート!ざわ・・・ざわ・・・
まあ、猛スピードで負けます。
負けたのでもちろんチップは回収。棒で回収されてくのを静かに見守って・・・と思ったら
「待ってくれ!!」と叫びまさかのチップ強奪&逃走
最低だ!最低すぎる!!笑
その後他のヤクザ達にとりかこまれボコボコに蹴られまくる哀れな飯田ヤクザ。(まあ、しょうがないかもしれない)
そこで救世主、カトクミさんの女将登場。着物が似合っててかっこいい!
しかも超強くてヤクザを蹴散らして飯田ヤクザを助け出し、手を引いて逃げるように誘導。
しかし何を血迷ったのか飯田ヤクザ、その手を振り払って逆方向に逃走。
その瞬間他ヤクザの木刀が顔面にクリティカルヒット

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もうどこからつっこめばいいのか・・・

これはどう考えてもお笑いシーンだと思ったのですが、いかんせん飯田ヤクザがボコボコにされてるシーンでギャグ演技でなく本当痛いんです的演技をしてたので、笑っていいのかわからず結局戸惑いのまま終わって行きました。
他ヤクザは女将が蹴散らしてくれたのですが、倒れてる飯田ヤクザを放置したまま退場。
舞台に飯田ヤクザたった1人が倒れてる状態で曲がおわりました。シュールすぎる
(しかも次の曲で床が回転し始め、倒れたまま舞台中ほどに移動し、その後曲中盤まで倒れっぱなしだったあげく最後普通に歩いて退場していきました

【花の時・愛の時】
斉藤兄弟と相原姉妹のダブル双子という代役効かずなナンバー。
回転する舞台の真ん中にベンチが2つ背中合わせに置いてあり、そこを境に鏡みたいに左右対象のダンスを踊るというロマンチック極まりない演出。あまりのシンクロっぷりに途中から本当に鏡なんじゃないかと真剣に疑いました。
途中ベンチに寝っ転がるシーンがあり、そこが本当に神秘的で綺麗なんですけど、2階またはバルコニーからじゃないと見えなさそうでした。絵になりすぎててCGアニメかと思った。

アンパンマンのマーチ
公式の動画まんまです。アンパンマンがとってもスタイリッシュになってます。
1番だけなのですごく短かった。

【俺達ペドロ一家】
上手い具合にコンパクトにまとめてあってダレず、メンバーも豪華で聴きごたえたっぷりでした。。
●阿久津ペドロ:ユタ本編のペドロとはだいぶイメージが違うけど合ってる!親分というか頼れる兄貴!
おみこし担いでそうな感じで愉快に歌ってました。最後の「と、きたもんだ☆」(テロリッ♪)がオチャメw
●井上ダンジャ:阿久津ペドロより親分臭のするカッコいいダンジャ。
●飯田ゴンゾ:そもそも顔がゴンゾっぽい(ひどい感想)
●青山モンゼ:まさかのカバンから登場するミニサイズの青山さん、着てたジャケットを丸めて赤ちゃんに見たてたり、持ち役なだけあって歌も演技もユタ本編のモンゼでした。
●種井ヒノデロ:飯田ゴンゾが確定した時点で消去法で種井さんしか残らない脅威のキャスティング。
歌詞が「一番太いのヨロシクね♪」にかわってました。←今日一番の客席大ウケ
最後に全部もっていかれたというか、最強の種井さん萌ナンバーだったですよ!

他にもサッカー演出や応援団、金の蝶ネクタイと腹巻きwithピンクのサングラスな阿久津さんが「はじまるよーー!!」と超絶うさんくさい司会を繰り広げたり(褒めてます)、ラストのバラードに何故かサッカーの審判がいたりと色々ありましたが、なかなか斬新で楽しかったので落ち着いたころにもう1度行きたいです!

 

 

【曲目】
(1幕)
・祖国
・壁抜け男のソロ
・生きているって素晴らしい
ノートルダムの鐘
・天使が僕に
・Nice work if you can get it
スキャット
・ブチギレそう
・ママ
・人生を踊り明かせ
・虹の彼方へ
・マンゴジェリーとランペルティーザ
・お洒落は私の切り札
・迷いつつ
・キャラヴァン
・スウィングしなけりゃ意味ないね
・シング・シング・シング
・サークル・オブ・ライフ

(2幕)
・桜の花よ泣きなさい
・タイトル・口上
・煉獄のおいらたち~暴走族~
・煉獄のおいらたち~ヤクザ~
夜桜お七
・曙光
・引き裂かれた心
・花の時・愛の時
・香蘭と杉本の別れ
アンパンマンのマーチ
・おれたちゃペドロ一家
ふり向くな君は美しい
・明日は近づく
・我が家へ
・心の瞳

(カーテンコール)
若き獅子たち
時の流れに身をまかせ
津軽海峡・冬景色
・タイトル・口上(リプライズ)