国際線第99ターミナル

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日本と韓国のミュージカル観劇あれこれ

2020/5/22 チェコ版スリルミー配信 感想その3(ネタバレあり)

※ストーリーのネタバレがありますのでご注意ください!
※その1はこちら、その2はこちら

度重なる彼の軽率さとパリピ具合に愛想を尽かしたチェコ私。
結末は一体どうなるのか・・・!

【留置所】
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警察に自首した私。これまで舞台中央にあったベッドからシーツを取っただけで、舞台が一気に無機質な留置所に変身!
私が新聞(彼逮捕のニュース?)を広げて読んでいるところに、捕まってメソメソプンプン状態の彼が入ってきます。
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新聞は降ろすものの、彼から目を背け続ける私と、それをものともせず釈明に勤しむ彼。
まるで彼が被害者のような話っぷりなので、私に気力が残ってたら、また惑わされちゃったかもわかりません!(しかし私の気力は0よ!)

【死にたくない】
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今度はベッドフレームを縦にすることで、2人の収容状況がよくわかるセットに変身!
右の扉からかすかに光が挿してて、ベッドの格子を透かして落ちる影がいかにも監獄という感じ。
今まで彼が私に声をかける時、どういう部屋の状況で、どのくらいの距離感で話しかけてるのかイメージし辛かったのですが、このセットは比較的すぐ隣にいることがわかりました!
こんなに近くにいるのに、2人を隔てるベッドの格子が高く感じる・・・と思ったら

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彼、登り始める。(爆)

まさか、幽体離脱的に彼の生き霊が私の方に飛んでっちゃう演出!?!?
と思ったのも束の間

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てっぺんで膝を抱えてしょげる。(まさかのロフト)
体育座りのままガタガタごとごと怯えるので落ちないか心配!
どこまでも予想を斜め上に超えてくる彼ですが、私は特に無反応な様子です。

【99年】
護送車ではベッドフレームを横倒しにして小さいカゴに2人が入っているような形に。
すっかり元気もなくなり、角っちょでしょぼくれる彼でしたが、私の淡々とした告白に目を見開きます。
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私が手を近づけるとシュボッ!と風切り音がするくらい全力で手を引っ込めて怯える彼。
下がりたくても下がれないのか、上半身がベッドフレームにめり込んでます。
このあたりで観客から笑い声が(www)
以前中国で見たときもここが爆笑シーンと化してたんですけど、お客さんはもう展開わかってたってことなの!?それとも彼ザマア(笑)ってことなの!?ww
一方の私は積極的に迫るわけでも悲しむわけでもなく・・・

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小さいベッド枠に収まる2人の姿が、護送車で運ばれていく光景はもちろん、これから生きていくであろう閉塞的な鳥籠サイズの世界を見せてくれてるようでした。

曲の終わりと同時にステージも暗転。映像の審議会に切り替わります。
審議の途中、暗闇から彼だけが立ち上がり去っていく。

【フィナーレ】
留置所から一貫して無気力なままの私。
最後、所持品だった写真が映るのですが、実際の犯人の写真でした。(!)
右のドアから彼がサラッと入ってくるも、私、完全に愛想をつかしたのか一瞥もしません。
正面を見つめたまま、すこし怒ってるような力みの入った声でスリルミー!暗転

【カテコ】
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突然ほんわか感あふれるアンコール。
1度おじきをした後、後ろから女性のピアニストさん(ピアニストさん?)を連れてきてもう1度おじき。
役が抜けた役者さんは、劇中よりもかなり若く見えました!


【雑記】
前半のテンションが凄まじくてどうしようかと思いましたが(笑)きちんと落ちるところは同じという、不思議なスリルミー体験でした。
彼が最初は魅力的に見えるのに、話が進むに連れてどんどんゲンナリしてくのをネイサンと一緒に体験できるのも面白かったですねw

日本版や韓国版は原作に出てくる名前や地名等の固有名詞を完全排除してるおかげか、より内面のやりとりに重点をおいた作品に感じますが、今回のように実在した事件の名前や写真がバンバン出てくると、強制的に思考がそこに結び付けられるといいますか、2人の視点からのどうしてこんなことをしたのか?を紐解いていくというよりも、第三者のどうして?の視点で過去を追ってくような感覚になりました。

役者によっても変わるし、演出によっても変わるし、改めてスリルミーのミラクル万華鏡演目っぷりを見せつけられた気分です。
貴重な配信公演に感謝!